セシリア・マルムストレームEU通商担当執行委員は21日、訪韓に先立って東亜(トンア)日報との電子メールでのインタビューで、「米国企業はなぜ韓国に少ない車を輸出することになったのかという堪え難い質問を自分自身に問わなければならない」としたうえでこのように語った。さらに、「私たちは、貿易収支は全体図のごく一部だけを示すという事実を忘れてはならない」とし、「米国、EU、東南アジア、中国など、海外に膨大に投資してグローバルバリューチェーンに完全に統合された韓国企業の貿易は、統計には入らない」と強調した。
韓米貿易収支に含まれない取引を考慮すると、赤字だけで米国が損だとは言えないという説明だ。
両国の貿易成果は、貿易収支だけでは判断できないとも主張した。氏は、「EUは(トランプ政権と違って)貿易赤字を出した国は損であり、黒字を出した国が勝利したとは受け止めない」とし、「私たちは貿易を『赤字黒字を問う方式(plus minus way)』で見ず、貿易総合の成長(growth of the sum)」で判断する」と改めて強調した。韓米FTA改正論議についての韓国側の主張の大半を受け入れながら、米政府の主張の弱点を一つ一つ皮肉ったのだ。
マルムストレーム委員は韓国の通商交渉本部長級で、韓国、日本とのFTAはもとより、米保護貿易政策への対応を総括している。今回アジア欧州首脳会議(ASEM)の経済閣僚会議と韓EUFTAの成果を論じるフォーラムに出席するためにソウルを訪れる。
一方、EUは米国のように一方的な方式ではないが、今年中に韓国政府に韓EUFTAの改正を要請するものとみられる。マルムストレーム委員は、「EUと韓国の間にはまだ非関税障壁が残っており、両者ともにバランスをなすFTA改正を一括して議論しなければならない」と韓EUFTA改正の可能性を言及した。
趙은아 achim@donga.com