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食品売り場にAIスピーカー、アマゾンの「流通勢力図の覆し」

食品売り場にAIスピーカー、アマゾンの「流通勢力図の覆し」

Posted August. 30, 2017 09:38,   

Updated August. 30, 2017 09:43

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28日、米ニューヨーク・マンハッタンの57番街にある有機食品専門店「ホールフーズマーケット」。入口に入ると、米オンライン流通会社「アマゾン」の人工知能(AI)スピーカー「エコー」の販売台が現れた。179ドル(約22万ウォン)のエコーは、通常価格の44%である99ドルで売れた。有機食品のスーパーマーケットに登場したAIスピーカーの割引販売台は、アマゾンとホールフーズマーケットとの合併を象徴的に示している。

アマゾンは同日、ホールフーズマーケットの買収手続きを完了し、全米470ヵ所のホールフーズ店で100種以上の有機食品などを最大30%まで割引販売する「価格戦争」に突入した。「これは始まりに過ぎない」というスローガンまで掲げた。

フルーツ店では、アマゾンのホールフーズブランドが一緒についた割引案内標識がかかった中、リンゴ、バナナ、アボカドなどが通常より20〜30%安い値段で販売された。ネディン・ガランジャ氏は、「サーモン、アボカド、リンゴのような割引商品を買った」と言い、「品質が維持されれば(アマゾンとホールフーズの合併は)消費者には多大な恩恵といえる」と話した。

オンライン流通恐竜「アマゾン」とオフライン有機食品スーパとの結合は、米現地でも関心が高かった。店頭のレジに人たちが詰めかけ、長い列ができた。店頭の前では、ブルームバーグニュースなど、地元メディアの取材競争も繰り広げられた。

アマゾンに買収される前まで、ホールフーズは競合食料品店に比べて15%程高い価格の製品を販売する「高価戦略」を繰り広げたが、市場競争の中で困難を経験した。ブレンドン・ウィチヤ・フォレスター・リサーチ流通アナリストは、米誌ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「アマゾンが他の食料品店と同様の水準でホールフーズの価格を引き下げるだろう」と見込んだ。

アマゾンがホールフーズの買収を発表したとき、米国内では、独寡占を懸念して合併に反対する声と、反独占法が急速に変化する現代の企業環境を正しく反映していないという主張に分かれた。米公正取引委員会(FTC)は最近、アマゾンがホールフーズマーケットを137億ドル(約15兆3400億ウォン)で買収することは市場競争を阻害しないと結論を下した。マンハッタンで不動産ブローカーとして働くゲリー・ウォール氏は、「消費者や株取引をする人には、アマゾンのホールフーズマーケット買収は役立つだろうが、私は頻繁に買い物をするターゲットのような伝統的流通業者には悪い影響を与えるような気がして戸惑っている」と話した。

アマゾンとホールフーズの結合は、米流通市場の勢力図も変えるものとみられる。アマゾンは2015年、ニューヨークなどにオフライン書店「アマゾンブックス」をオープンし、昨年は、ワシントン州シアトルに無人店舗「アマゾンGo」を披露した。オンラインとモバイルの壁を越えてオン・オフラインを網羅する統合サービス企業に変身している。アマゾンのホームページでホールフーズ商品の販売も開始した。アマゾンは、ホームページを通じて「有料会員であるプライム会員とホールフーズの補償プログラムを連携する計画だ」と明らかにした。



朴湧 parky@donga.com