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「被請求人の大統領・朴槿恵を罷免する」…傍聴席から「嘆声」

「被請求人の大統領・朴槿恵を罷免する」…傍聴席から「嘆声」

Posted March. 11, 2017 08:28,   

Updated March. 11, 2017 08:28

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「被請求人 朴槿恵(パク・クンへ)大統領を罷免する」

 

憲法裁判所の李貞美(イ・ジョンミ)所長代行が主文を読むと、大審判廷の傍聴席から低い嘆声が上がった。歓呼も大声もなかった。開始から主文までかかった時間は21分だった。

現職大統領の弾劾の有無を決定する歴史的な場。賛否デモが行われた憲法裁の外の状況とは違い、大審判廷は宣告前まで緊張感で息がつまるようだった。傍聴席には内外信記者150人余りがいた。インターネット抽選で選ばれた一般人24人も傍聴した。なんと796倍の競争率を突破した人々だ。彼らも興奮した表情だった。

午前10時40分から国会弾劾訴追委員団と朴大統領代理人団が順に入廷し、午前11時、李所長代行と主審の姜日源(カン・イルウォン)裁判官ら8人の裁判官が入廷した。傍聴客が起立した。裁判官が皆席に座ると、李所長代行が「ただ今から、2016憲ナ1、大統領弾劾事件の宣告を始めます」と述べた。

決定文に先立ち、李所長代行は進行経過と「歴史の法廷」に臨む憲法裁の立場を明らかにした。「憲法は大統領を含むすべての国家機関の存立の根拠であり、国民はそのような憲法を作る力の源泉だ。・・・裁判所は歴史の法廷の前に立つことになった心情でこの宣告に臨む」。

11時3分。「今から宣告を始める」。李所長代行の決定文の朗読が始まった。大審判廷のすべての人々が李所長代行の言葉に耳を傾けた。朴大統領代理人団が国会弾劾訴追議決過程の瑕疵を主張したことと関連して「問題ない」と説明すると、徐基錫(ソ・ギソク)裁判官が顔を上げて李所長代行にしばらく視線を向けた。代理人団の孫範奎(ソン・ボムギュ)弁護士も李所長代行をまじまじと見た。一方、国会側の黄貞根(ファン・ジョングン)弁護士は少し笑みを浮かべた。

11時8分、弾劾訴追理由の判断結果が本格的に言及されると、緊張感は最高潮に達した。公務員任免権乱用と言論の自由の侵害、セウォル号事故に対して朴大統領の憲法と法律の違反が認められないと言うと、黄弁護士ら国会側出席者の表情が固まった。訴追委員団長である「正しい政党」の権性東(クォン・ソンドン)議員は裁判官に目を向けた。一般傍聴客の表情も微妙に交錯した。

しかし、雰囲気が少しずつ変わるのに長くはかからなかった。今の状況を生んだ崔順実(チェ・スンシル)被告の関連内容が言及されてからだ。11時12分、李所長代行は大統領府の文書が随時崔被告に渡った問題を指摘した。瞬間、趙龍鎬(チョ・ヨンホ)裁判官と隣の姜日源裁判官が顔を見合った。朴大統領罷免の運命を知っている様子だった。

引き続き、ミル・Kスポーツ財団をめぐって起こった朴大統領の行為が憲法と法律に違反するかどうかを判断する内容が説明された。李所長代行が、「崔被告の利益のために大統領の地位と権限を乱用したもので、憲法、国家公務員法などに違反し、企業の財産権を侵害した」と規定すると、権議員は笑みを浮かべた。一方、朴大統領側の李東洽(イ・ドンフプ)弁護士は目を閉じた。

 

大きな変化なく発表を続けた李所長代行の声は、主文を控えて少しずつ変わった。「朴大統領は崔被告の国政介入の事実を徹底的に隠して否認し、かえって疑惑の提起を非難した」、「朴大統領は検察と特別検察官の調査に応じることなく、大統領府の家宅捜索も拒否した」、「法違反行為が繰り返されないようにする憲法守護の意志が見られない」。まるで朴大統領を叱るような語調だった。そして「朴大統領の違憲行為は国民の信任を裏切ったもので、憲法守護の観点で容認されない重大な法違反行為」と断言した。最後に、大統領朴槿恵の罷免を宣言する主文を読み上げた後、李所長代行と裁判官7人は退廷した。

 

宣告後、国会側議員らと弁護士は握手して互いを激励した。権議員は、朴大統領代理人団のところに行き、李東洽、李中煥(イ・ジュンファン)弁護士と握手した。朴大統領側の弁護士たちは興奮した表情で何も語らず大審判廷を去った。



裵碩俊 eulius@donga.com · 申圭鎭 newjin@donga.com