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浮沈する金正恩の側近たち

Posted January. 07, 2017 08:56,   

Updated January. 07, 2017 08:57

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北朝鮮の実権者は金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長だ。唯一指導体系を強調する北朝鮮でも、金正恩時代にはナンバー1を中心とする権力集中現象が強化された。最側近という分類が必要ないほどだ。

駐英北朝鮮大使館の公使だったテ・ヨンホ氏は昨年12月27日、統一部の担当記者懇談会で、「北朝鮮は金正恩という神を中心に政策執行省庁が縦的につながっている」と明らかにした。金委員長以外の人物は誰であれいつでも用途がなくなる可能性があり、実際にそうだった。2012年12月、「陽奉陰違」(表向きは信奉する振りをしながら、内心は違うこと)の疑いで処刑された金委員長の叔母の夫、張成沢(チャン・ソンテク)氏が代表的だ。張氏が部長だった労働党政府は解体され、下級職員まで収容所に送られた。

2011年12月28日の金正日(キム・ジョンイル)総書記の葬儀で葬儀車を護衛し、金正恩時代を共にすると予想された「7人」のうち現職に残ったのは崔泰福(チェ・テボク)最高人民会議議長と金基南(キム・ギナム)党書記しかいない。2人は実権がなく従順だったため生き残ったと見られている。7人のうち権力が集中した張成沢氏と李英鎬(リ・ヨンホ)軍総参謀長、禹東則(ウ・ドンチュク)国家安全保衛部第1部部長は粛清され、金英春(キム・ヨンチュン)人民武力部長、金正覚(キム・ジョンガク)軍総政治局第1部局長は第一線から退いた。

しかし、金委員長の側近と呼べる人物はいる。まず、労働党一党独裁構造である北朝鮮で最高意志決定機構の一つである党中央委員会政治局常務委員(5人)だ。常務委員は金委員長、金永南(キム・ヨンナム)、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)、朴奉珠(パク・ポンジュ)、崔竜海(チェ・リョンヘ)で構成されている。彼らも欠点がある。金永南氏は高齢(89才)であるうえ、最高人民会議常任委員長という名目上の国家元首にすぎない。黄炳瑞氏は軍総政治局長だが、金委員長の前でひざまずいて口臭がしないよう手で口を隠して報告しなければならないほど立場が虚弱だ。朴奉珠首相、崔竜海労働党副委員長は革命化教育を一度以上受けた「前歴」がある。生命の脅威を受ける粛清ではないが、奈落に落ちた記憶がある。

さらなる最高機構としては、党中央軍事委員会がある。委員は金委員長、黄炳瑞、朴奉珠、朴永植(パク・ヨンシク)、李明秀(リ・ミョンス)、金英哲(キム・ヨンチョル)、李萬建(リ・マンゴン)、金元弘(キム・ウォンホン)、崔富一(チェ・ブイル)、金京玉(キム・ギョンオク)、李永吉(リ・ヨンギル)、徐鴻賛(ソ・ホンチャン)の12人だ。最も注目される人物は、金正恩執権後5年間、地位が揺るぎない金元弘国家安全保衛相だ。

金元弘氏は2011年、金正日総書記の国家葬儀委員会委員に名前を載せ、2013年には国家安全保衛部長になった。保衛部は情報機関であり、金正恩政権の安全に責任を負い、防諜活動を兼ねる。昨年、部から省に昇格し、責任者も部長ではなく相と呼ぶのが正しいが、韓国政府は最終的に確認されていないという理由でまだ部長に分類している。

しかし、金元弘氏のバラ色の将来が保障されたわけではない。国家情報院傘下の国家安保戦略研究院は昨年12月、「2016年度情勢評価と2017年度展望」で、「金正恩体制を支えてきた金元弘氏や崔竜海氏など核心側近が兎食狗烹(狡兎死して走狗烹らる)になり、『第2の張成沢』になる可能性がある」と予想した。テ氏の亡命と海外レストラン従業員の集団脱北を阻止できなかった責任があるうえ、「絶対的な権力を振りかざす」という理由で、党組織指導部の検閲を受けているといううわさも流れている。



曺崇鎬 shcho@donga.com