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来年の総選挙を控えて与野党が「コメ目標価格」で綱引き

来年の総選挙を控えて与野党が「コメ目標価格」で綱引き

Posted February. 02, 2019 09:28,   

Updated February. 02, 2019 09:28

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「韓国のコメ価格は、市場ではなく汝矣島(ヨイド)で決まる」

近所のスーパーに行けば、コメ袋に書かれた消費者価格は、コメの需要とコメ農家の生産量に応じて決められた自然な価格ではなく、与野党の価格合意によって大きな影響を受けるという意味だ。

政治圏が合意するコメ価格とは、コメ農家の所得を補填する変動直払金の基準となる「目標価格」をいう。この目標価格が高ければ、変動直払金が増えて農家には有利だが、国の財政が多く投入される。一方、目標価格が低ければ、変動直払金が減少して財政負担は減るが、農家に不利である。

このような構造のため、与党は目標を一定のレベルに縛っておこうとし、野党は目標価格を高めようとして衝突する。この目標価格に沿った直払金を受けようと、コメを生産する農家が増え、その余波でコメが過剰供給される。このまま放置すれば、価格が暴落しかねないので政治圏が介入する。したがって、価格が歪曲される悪循環が繰り返される。

●「汝矣島合意」に左右される韓国のコメ価格

全国地方自治体は毎年2月、通常は旧正月前に農協を通じてコメ農家の所得を補填する「コメの変動直払金」を支給してきた。今年は、この直払金の基準となる目標価格を国会で合意できなかったため、支給するかどうかさえ予想できずにいる。国会は2月中に新しい目標価格を設定する計画だ。しかし、与野党間の意見の隔たりが大きい。このままでは2018年産米に支給予定の2533億ウォンの予算が使途が見つからない恐れもある。来年の総選挙を控えた国会は、民意により大きく左右される様子だ。今年はコメ直払制の見直しまで予告されており、議論が続く可能性が高い。

コメ価格が政治に影響を受け始めたのは、政府が生産量の20〜30%を買上げ価格を調整した1950年の買上げ制施行当時にさかのぼる。当時、糧穀管理法の制定以来、最初は国会の同意を得て政府が買上げ価格を決定した。1972年に国会同意制を廃止して大統領が単独で承認してから、1988年に再び国会同意を受ける方式に変わった。

毎年、秋穀買い上げ価格と買上げ量が決められたことで、対立が激しくなった。追加の買い上げと買い上げ価格を高めてほしいというデモで、自治体はその対応に迫られた。農民たちも搗精も経ていない稲を80キロ入り袋に入れて、市・郡庁の前庭に積んでおいて「野積みデモ」を行った。収穫を終えて11月頃から始まるデモが、時には年を越して1〜2月まで続いた。

政府は、そのつど買上げ制の見直しを試みた。そのたびに国会議員や大統領選挙が重なったし、農民団体の反発が激しくなって「なかったこと」になった。

買上げ制度は、結局2005年、自由貿易を強調する世界貿易機関(WTO)の交渉を機に廃止された。政府は、「糧政改革」と主張したが、市場機能を生かすことはできなかった。政府は、相変わらず収穫期に生産されたコメの一部を買い入れて価格下落を阻止し、農家所得補てんのために目標価格を定めて直払い金を支給した。

●「税金を食うカバ」直払金の見直しが必要

コメ変動直払金とは、毎年コメの目標価格を決めておいて、実際のコメ価格がこれを満たさなければ、その差額を補填する制度だ。目標価格と実際のコメ価格の差の85%を、固定直払金と変動直払金の二つで補てんする。固定直払い金は、コメの栽培面積に応じて固定金額が支給される。一方、変動直払い金は、市販のコメ価格と目標価格に連動して毎年規模が乱高下した。2011年から3年間生産されたコメは、目標価格と相場の差がほとんどなく、直払い金がかからなかった。一方、2016年産米の場合は相場暴落で目標価格との差が大きく開き、国庫1兆4900億ウォンが直払金として投入された。「税金を食うカバ」だったのだ。

国会は、5年ごとに変動直払い金の基準となる目標価格を決めなければならないが、2018~2022年産米に適用される目標価格に合意できなかった。政府と与党は昨年11月、国会に80キロ当たり19万6000ウォンを目標価格として提示した。一方、野党が主張する目標価格はこれよりはるかに高い。民主平和党は24万5000ウォン、自由韓国党は24万ウォン、正義党は22万3000ウォンとなっている。

政治圏では来年の総選挙を意識している。国会農海水委所属の国会議員の地域区の多くは、コメ生産である。一方、政府は、目標価格を大幅に引き上げれば、これから過度に税金が投入されることを懸念している。今年、政府は、現行の直払い制を廃止し、新たな公益型直払い制に見直す案を議論している。しかし、国会での可決は容易ではない。

ソウル大学農経済社会学部のイ・テホ教授は、「コメの目標価格が市場価格より高ければ、過剰生産を刺激しかねないだけに、変動直払金を中止しなければならない」と語った。続いて「コメ、畑作を問わず、面積当たりに同じ固定直払金を支給し、小規模農家には支払い金額を高く設定して小農を保護する必要がある」と付け加えた。

(3)国民年金、韓進カールへの初経営参加に乗り出す

国民年金が、韓進(ハンジン)グループの持株会社である韓進カールに対して限定的範囲で経営に参加する「積極的株主権」を行使することを決めた。一方、グループの中核会社である大韓(テハン)航空については積極的株主権を行使しないことにした。

国民年金が投資する企業経営に参加するのは今回が初めてだ。国民年金の最高意思決定機関である基金運用委員会は1日、ソウル中区(チュング)にあるザプラザホテルで4時間行われた会議の末、韓進カールについて、「機関投資家の議決権行使ガイドライン(スチュワードシップコード)」を通じて株主権を行使することを決めた。

国民年金は、韓進カールの社内取締役が背任、横領で禁錮以上の刑が確定すれば、すぐに辞退するよう会社定款を変えるべきだという内容の株主提案をすることにした。定款の変更は、いくつかの経営権参加方策の中で、そのレベルが最も低いものである。国民年金は、取締役解任を提案、社外取締役推薦など、強力な他の経営権参加手段をすぐには取り上げないことにした。基金運用委員長を務めている朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官は、「最低限の経営参加で『オーナーリスク』を解消する必要がある」と語った。

10%ルールの適用を受けて短期売買差益を返還しなければならない大韓航空については、積極的株主権を行使せず、重点管理企業に指定して経営改善を誘導することにした。10%ルールとは、会社の持分を10%以上保有している投資家が経営参加をする場合、6ヶ月以内の短期売買差益をその会社に返さなければならないという規定である。国民年金は、大韓航空の持分11.56%を持つ2大株主であり、韓進カールは7.34%の持分を確保した3大株主となっている。

この日の決定は、収益性悪化の懸念などを理由に、国民年金の積極株主権行使に反対する意見が多かった受託者責任専門委の会議結果を覆したもので、論議が予想される。財界は、すぐに懸念を示した。全国経済人連合会は、公式の立場を通じて、「今回の決定が先例として経済界全体に広がれば、企業活動をさらに萎縮させないか懸念される」とコメントした


崔惠? herstory@donga.com