Go to contents

北朝鮮外相、「米国が先に行動を」と制裁強める米国を激しく批判

北朝鮮外相、「米国が先に行動を」と制裁強める米国を激しく批判

Posted August. 06, 2018 09:13,   

Updated August. 06, 2018 09:13

한국어

北朝鮮の非核化行程表に対する立場の相違を縮めることができなかった米朝の神経戦は、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で最高潮に達した。両国の外相は笑顔で握手を交わした数秒間を除いて、一度も正式に顔を合わることはなく、相手の譲歩を引き出すための外交戦に集中した。

北朝鮮は「段階的、同時的履行」の必要性を強調して国際社会の支援を呼びかけたが、石油や石炭の不法取引を指摘した国連報告書と追加の独自制裁を掲げた米国の圧力は、予想よりも強かった。史上初めて米朝首脳会談が開かれた2ヵ月前のシンガポールの雰囲気はもはやなかった。

●圧力継続 VS 露骨な不満

北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は4日、ARFの自由討論で、「(非核化に向けて)我々だけが一方的に先に動くことは絶対にない」と強調し、米国が先に行動することを再度求めた。その上で、「北朝鮮側の善意の措置に対する肯定的な答えはおろか、米国ではむしろ制裁を維持すべきだという声が高まっている。韓半島平和保障の初歩の初歩的な措置である終戦宣言問題ですら後退する態度を見せている」と不満を示した。

李氏は英語でなく韓国語で演説を行い、「米国内で首脳部の意図とは違って制裁を維持すべきだという声が高まる、古いことに戻ろうとする試みを表出しており憂慮される」とも述べた。対北制裁を強調してきたポンペオ米国務長官だけでなく北朝鮮核問題を担うチームを指揮するトランプ大統領に対する、制裁の強度を下げよというメッセージだった。

ポンペオ氏はこれには気を止めず、2国間会談や記者会見を相次いで行い、制裁履行の重要性を強調した。北朝鮮はこれ見よがしにARF加盟国に対する制裁離脱の取り締まりに出た。ポンペオ氏に同行した海外メディアの記者は、「ポンペオ氏は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が非核化の約束を守っていないことを指摘し、ASEAN会談での多くの時間を制裁を履行しているアジア諸国に感謝を表明することに使う計画だと話した」と伝えた。ARFに参加する前から対北制裁メッセージを準備してきたことを示唆する。

シンガポールARFの議長声明草案には、板門店(パンムンジョム)宣言とシンガポール共同声明に対する支持とともに「韓半島に『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』(CVID)をもたらす国際的な努力を支持する」という一文が挿入された。北朝鮮がこれを阻止しようとしたにもかかわらず、米国が強く要求した結果だという。

● 「北朝鮮、石油不法取引、シリアとの不法兵器取引も継続」

トランプ政権は、新規の対北制裁にも踏み込んだ。6月12日の米朝首脳会談直後、「協議期間に追加制裁をしない」と発言したが、3日に北朝鮮と取引したロシアの銀行を制裁リストに載せた。ロシアのアグロソユーズ商業銀行や朝鮮貿易銀行のダミー会社とされる丹東中性公務有限公司とウングム企業、朝鮮貿易銀行ロシア支店のリ・ジョンウォン副代表が北朝鮮と取引した疑いで、米国の新規制裁対象に含まれた。ムニューシン財務長官は、「完全かつ検証可能な非核化(FFVD)を達成されるまで、制裁を維持し、北朝鮮による不法な収入の流れを止める」と明らかにした。

米国は国連を通じて制裁強化の正当性確保にも乗り出した。AFPやロイター通信は、国連安保理の専門家パネルが作成して安保理に報告した報告書を入手し、「北朝鮮が核兵器、ミサイル計画を中止しなかった」とし、「寧辺(ヨンビョン)核団地で依然として活動が行われており、原子炉も稼動している」と報じた。

また専門家パネルは、「大型タンカーを利用した石油の瀬取りが北朝鮮の制裁回避の主要手段になっている」とし、1~5月までの不法瀬取りの事例として89件を提示した。瀬取りに関わった船舶は40隻、企業は130社にのぼるという。また、「北朝鮮が石炭や鉄鋼などの輸入禁止品を中国、インドなどに輸出し、昨年10月から今年3月までに約1400万ドル(約158億ウォン)を得た」と明らかにした。さらに、北朝鮮がシリア政府やイエメンの反政府軍などと軍事的協力関係を続けていることも指摘した。


イ・ジョンウン記者 シンガポール=シン・ナリ記者 lightee@donga.com · journari@donga.com