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バスケ好きの金正恩氏、南北の平壌バスケ試合は観戦せず

バスケ好きの金正恩氏、南北の平壌バスケ試合は観戦せず

Posted July. 06, 2018 08:58,   

Updated July. 06, 2018 08:58

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「バスケ狂」の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、自分の提案で15年ぶりに平壌(ピョンヤン)で実現された統一バスケットボールの試合に姿を現わさなかった。6日から2日間続くポンペオ米国務長官との核談判を目前にした状況なので、自国で繰り広げられた「ビッグゲーム」を参観せず、核交渉の準備に没頭していると指摘されている。

●試合不参観の正恩氏、「理解を求める」

正恩氏は5日午前10時10分頃、韓国代表団が宿泊する高麗ホテルに金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長を送り、試合不参観を伝えた。試合開始約5時間前だった。金英哲氏は同日、ホテル2階で趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官ら韓国代表団に会って、「『行って、会ってみるのが良くないか』と言われて、こうしてやって来た。委員長は地方の現地指導中」と述べた。午前10時20分から50分間の歓談の後、趙氏は記者団に、「新義州(シンウィジュ)の方に、地方にいて来られないそうで、金英哲氏が挨拶を伝えた」と話した。

 

米プロバスケットボール(NBA)ファンの正恩氏は、4.27南北首脳会談の時、「サッカーよりバスケットボールを先にしよう」と提案し、今回の対戦が実現した。しかし、いざ本人は中朝国境地域の新義州にいる。北朝鮮事情に詳しいある消息筋は、「ポンペオ氏との会談を控え、平壌よりも涼しい新義州で書記室の人々と状況別会談シナリオの準備に集中しているようだ。また『のんきにバスケットボールを見ないで、交渉の準備に万全を期している』というメッセージを米国に送っている」と伝えた。ある政府筋は、「試合の日程が決まった後にポンペオ氏の訪朝日程が決まったと見られ、正恩氏の試合不参観はやむを得ない面がある」との見方を示した。

このような理由で、金英哲氏は、「『趙長官に理解を求め、久し振りに平壌に来られたので、簡単に話を交わすのはどうか」と助言があったのでやって来た」と正恩氏の「言葉」を伝えた。正恩氏が韓国の統一長官に「理解を求める」と発言するのは非常に異例のこと。その代わりに金英哲氏は、「委員長が昨日、試合をテレビで見た」、「今回の対戦組織の全般的な流れを一つ一つ確認した」と述べ、正恩氏の格別の「バスケ愛」を伝えた。

●趙氏、金英哲氏と会った後「南北米の会合はない」

 

趙氏は歓談後、記者団に「米朝対話」と関連して、「基本的な話だけあった。『ポンペオ氏に会って、北朝鮮側はうまく協議するだろう』といった程度の話があった」と述べた。金英哲氏は歓談後、「ポンペオ氏に会うのか」という記者の質問には答えなかった。これに関連して、北朝鮮がポンペオ氏との交渉を控え、終盤までカウンターパートを公開していないという指摘が出ている。趙氏は、6日の南北米3者会合の可能性については「ない」と否定した。

4月に韓国の芸術団と同行した韓国側記者団に会って、「韓国側で哨戒艦『天安(チョンアン)』沈没の主犯と言えば私、金英哲」と言って物議をかもした金英哲氏は、同日の歓談序盤に、「北朝鮮の射撃選手は銃でうまく撃てません」と笑って話した。単なる冗談のようにも聞こえるが、北朝鮮の選手の大半が軍人の身分であることを考えると、「北朝鮮軍兵士は銃が撃てない」、「戦争の意思がない」ことなどを遠回しに伝えたのではないかと見られている。


黃仁贊 hic@donga.com