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万景峰92号とはいかなる船舶か

Posted February. 06, 2018 08:34,   

Updated February. 06, 2018 08:34

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北朝鮮の芸術団を乗せて韓国に来る万景峰(マンギョンボン)92号は、1992年4月に北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席(当時)の80回目の誕生日を迎えて、在日本朝鮮人総連合会(総連)の商工業者らが40億円を投じて建造した貨物旅客船である。船の名前も金主席の生家である平壌市(ピョンヤンシ)万景台区域の万景峰(45メートル)から取った。

搭乗人員が350人の万景峰92号は、日本の対北制裁を象徴する船舶だ。日本政府は06年、北朝鮮が相次いでミサイルを発射し、核実験を強行すると、制裁措置として万景峰92号舶の日本への入港を禁止した。万景峰92号が、野菜や食品など生活必需品だけでなく、自動車や奢侈品まで北朝鮮に調達する運搬船の役割をしていたことが理由だ。多い時には、1年で20億ドルにのぼる総連系僑胞の金を北朝鮮に運んだ万景峰92号は「北朝鮮の生命線」とも呼ばれた。

日本の入港禁止措置後、万景峰92号は港にいる時間が長くなり、無用の長物と化したと言われた。一部では中国人観光客の誘致に動員されるという話も流れた。

北朝鮮は02年9月、釜山(プサン)アジア大会当時、北朝鮮応援団を万景峰92号で送りだした。当時、北朝鮮側は釜山に入港して北朝鮮応援団の宿舎に使われた万景峰92号の内部を公開した。金日成、金正日(キム・ジョンイル)総書記が滞在したという特級客室もあった。

実際、「元祖」万景峰号は別にある。71年に建造された3500トン級の貨物旅客船だ。万景峰92号は、日本の新潟県と北朝鮮の元山(ウォンサン)をつなぐ北朝鮮送還事業の航路を往来し、在日同胞を北朝鮮に移住させる主役として活動した。元祖万景峰号は、「人民経済計画の遂行に貢献した」という理由で、北朝鮮の最高の栄誉である金日成勲章まで受賞した。


申晋宇 niceshin@donga.com