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韓国に手を差し出した金正恩氏、米国には拳を上げる

韓国に手を差し出した金正恩氏、米国には拳を上げる

Posted January. 02, 2018 09:09,   

Updated January. 02, 2018 09:25

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が新年元旦から、「核のボタンは、常に私の机の上にある」と述べ、米国に圧力をかけた。一方、韓国には平昌(ピョンチャン)冬季五輪に参加する可能性を示唆し、「この大会の成功を心から望む」と相反するメッセージを投げかけた。北朝鮮に対する制裁の効果が今年本格的に深刻化すると見て、「通南封米」に方向を旋回して局面を転換すると共に、韓米協力の亀裂を狙っていると指摘されている。

正恩氏は1日に発表した新年の辞で、「米本土全域が我々の核打撃の射程圏内にある」とし、「核のボタンは、常に私の事務室の机の上にある。脅しではなく現実だということを素直に理解しなければならない」と警告した。そして、「強力かつ信頼できる戦争抑止力を保有している」とし、「米国は決して我が国を相手に戦争を仕掛けられない」と断言した。

 

昨年11月29日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」を発射した後、「国家核武力の完成」を宣言したのに続き、今度は「対米戦争抑止力の確保」を明らかにしたのだ。正恩氏はこれで終わらず、「核弾頭と弾道ロケットの大量生産、実践配備の事業に拍車」、「即時的な核反撃作戦態勢の維持」など、米国の軍事的選択肢の可能性に対応することを強調した。

一方、韓国には新年の「お言葉」を述べた。「今年を民族史に特記する事変的な年に輝かせなければならない」と積極的な融和メッセージを送ったのだ。正恩氏は、「南朝鮮で近く開催される冬季五輪競技大会について話すなら」と平昌冬季五輪について初めて言及した。そして、「(平昌への)代表団の派遣を含め、必要な措置をとる用意があり、南北当局が早急に会うこともできる」と電撃の提案をした。

「一つの血筋を分けた民族として同族の慶事を共に喜び、助け合うことは当然」とも述べた。昨年、「ソウル火の海」云々した姿勢から180度急変したのだ。

正恩氏が手の平を返すように「通南封米」に態勢を切り替えたのは、新年元旦から韓米同盟を揺さぶり、今年の韓半島状況を誘導するという強い意志の表れと読める。国際社会の強力な圧力の中、昨年だけで4度の国連制裁を受けた正恩氏が、韓国を制裁局面転換カードとして本格的に利用しようとしていると分析されている。

国家情報院傘下の国家安保戦略研究院は、新年の辞に対する分析資料を通じて、「新年の辞で平昌五輪を取り上げたことは異例であり、南北関係改善の自信と意思を表明したと見える」と指摘した。そして、「五輪関連の南北実務者接触で対話の突破口を開き、南北関係の主導権を握るために韓米軍事演習や米軍戦略資産の循環配備の中止を求める可能性がある」と指摘した。



黃仁贊 hic@donga.com