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水爆搭載ICBMの開発・配備が現実化

Posted September. 04, 2017 09:41,   

Updated September. 04, 2017 09:45

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、6回目の核実験(水素爆弾と主張)を強行し、「核の終着点」に近づきつつある。今回の核実験とグアムや米本土を狙った核搭載の中長距離ミサイル挑発で、核・ミサイル強国の地位を固める作業が加速化するものと見える。

まず、既存の核弾頭よりも威力が数十倍強力な増幅核分裂弾(水素爆弾の前段階)と水素爆弾(水爆)で核実験を強行する可能性が高い。6回目の核実験で立証した核の破壊力をさらに強力にし、数百キロトン(1キロトンはTNT1000トンの爆発力)級の核兵器を開発し、韓国や米国など国際社会が北朝鮮の核武装を容認せざるを得なくさせることが予想される。軍当局者は、「水爆級の核兵器を実戦配備すれば、『事実上(de facto)核保有国』と認められると金委員長は判断するだろう」と指摘した。

ワシントンやニューヨークまで射程距離を伸ばして核攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射も続けるものと見える。北朝鮮はICBMの最終関門である再突入(Re-entry)技術を完成させると共に、水爆級の核弾頭をICBMに実戦装着して米本土を狙えば、「対米核ゲーム」で完勝できると考える可能性が高いということだ。6回目の核実験の約1ヵ月前から米本土とグアムを狙ってICBM級の「火星(ファソン)14」と中長距離ミサイル(IRBM)「火星12」を相次いで発射した点もこのような情況を裏付ける。軍当局者は、「北朝鮮が当初から6回目の核実験を決めておいて、米国を狙ったミサイル挑発を次々に強行した」との見方を示した。

北朝鮮は同日、6回目の核実験でICBM用の水素弾を爆発させたと主張した。労働新聞も、金委員長が「新たに製作した大陸間弾道ロケット(ICBM)戦闘部(弾頭部分)に装着する水素弾」を視察したと報じた。すでにICBM搭載用の水爆を開発しており、性能実験まで終えたということだ。

 

この主張をそのとおりに信じることはできないと専門家たちは指摘する。しかし、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)原子炉で三重水素(水爆原料)を独自生産できることが観測され、4回目の核実験(2016年1月)を増幅核分裂弾テストだと言ったことから、数年内に水爆搭載ICBMの開発・配備が現実のものになると懸念されている。

水爆搭載のICBMは、核開発の最終目的地と見ることができる。米国やロシア、中国など主な核強国も初期に核実験(濃縮ウランと兵器級プルトニウム)を行い、ICBMと潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)開発を経て、水爆をICBMとSLBMに搭載し、核武装力を最大化する道を歩んだ。北朝鮮もその前例にならうだろう。軍当局者は、「米国やロシアなどは最初の核実験から5~10年後に水爆実験に成功し、これを小型化してICBMに搭載した」とし、「北朝鮮の1回目の核実験(2006年)から11年が経過しており、増幅核分裂弾はもとより100キロトン級の熱核兵器(水素爆弾)の開発・配備は既成事実と見るべきだ」と強調した。

労働新聞は、開発中の水爆の威力が数十~数百キロトン級だと主張した。メガトン(1メガトンはTNT100万トンの威力)級の水爆よりも破壊力は小さい。狭い韓半島でメガトン級の水爆を爆発させる場合、いずれも致命的な被害を負いかねない。金委員長が既に開発した核弾頭(ウランおよびプルトニウム弾)に続き水爆も実戦使用を念頭に置いて威力を調節したのではないかという見方が出ている。

国防部関係者は、「金委員長は、冷戦時代の旧ソ連ほどの対米核抑止力を確保した後、韓国と米国に対して挑発と交渉カードを繰り返すと予想される」とし、「これにより在韓米軍の撤収や平和協定の締結、大規模な経済支援などを要求し、体制維持と永久的執権を図るだろう」と見通した。



尹相虎 ysh1005@donga.com · 孫孝珠 hjson@donga.com