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「チキン共和国」

Posted June. 19, 2017 08:48,   

Updated June. 19, 2017 08:48

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世界的碩学「ジャレド・ダイアモンド」米ロサンゼルス・カリフォルニア大学教授は、生理学、鳥類学、進化生物学、生物地理学にあまねく精通している。通常の科学者なら、このうちの一つの分野をきちんと研究することすらままならないだろう。ダイアモンド教授に1998年、ピューリッツァー賞を抱かせた本が「銃・病原菌・鉄」だ。この本には、人間が野生動物から家畜にすることに成功し大型草食哺乳類が14種で、このうち、世界にくまなく広がっている家畜は、豚、牛、羊、山羊、馬の5種に過ぎないという。

◆肉食のみだったり、または成長速度が遅かったり、狭いスペースではなかなか繁殖ができなければ家畜になれないとダイアモンド教授は診断した。飼いならされるどころか、人間に襲い掛かるなら、最悪の欠格事由となる。鶏は哺乳類ではないが、ダイアモンド教授の家畜化成功要因をすべて満たしているので、今は豚や牛に劣らないほどの家畜の地位を固めている。工場式飼育に最適化され、生産という言葉が似合うほどだ。今、韓国人は檀君以来、最も多い鶏肉を食べているといえる。

◆金尚祚(キム・サンジョ)公正取引委員長が就任すると、財閥ではなく、チキンフランチャイズ業界が最初にひれ伏した。公取委が現場調査を行ったBBQが今月初め、二度も引き上げた価格を元に戻すことにした。キョチョンチキンとBHCなども、引上げ計画を撤回したり、割引行事を行うと発表した。金委員長が強調した路地裏商圏保護の目標は、フランチャイズ本部と加盟店との不公正取引慣行の改善であるだろう。ところが、最初の恩恵者は加盟店ではなく、消費者になるようであり、このように一気に下る価格を、なぜ引き上げたのかという疑問もある。

◆フランチャイズ加盟店は、職場から押し出されて自営業者になった人たちが訪れる「終着駅」になって久しい。しかし、チキン加盟店はすでに頭打ちの状態なので、店主らはコスト削減の競争に追い出される。とあるチキンフランチャイズ会長のセクハラスキャンダルにより触発された不買運動のために涙を流す人も、加盟店主たちだった。「金尙祚効果」がその場限りの「締め付け」に終わるか、それともフランチャイズ業界の慢性的甲乙関係を根本的に正すかは見守るべきことだ。そういえば、今年は酉年、すなわち丁酉年である。