その一方で、文大統領は安京煥(アン・ギョンファン)法務部長官候補の辞退、長官任命の強行に対して「遺憾」と述べた。大統領府も残された長官候補の任命に対して指名を撤回する可能性を明らかにした。「マイウェイ」批判を意識した大統領府の「強弱戦略」だが、野党の反発が強く、行き詰っている国会の状況が改善されるかは未知数だ。
文大統領は同日、康氏への長官任命状授与式で、外交官試験中心の閉鎖的構造、4大国(米・日・中・露)中心外交から脱しなければならないと述べた。文大統領が聴聞報告書が採択されなかった候補を任命したのは、金尚祚(キム・サンジョ)公正取引委員長に続き2人目。
野党に対する批判も続いた。文大統領は「大統領と野党の間で人事に関する考えはいくらでも異なり得る」としながらも、「考えが違うからといって、それをまるで宣戦布告とか、強行とか、協力はないとか、まるで大統領と野党との間で勝負を競うかのように表現することは、実に穏やかでないと考える」と主張した。
その一方で、文大統領は「国会から聴聞報告書が来ない状態で任命したことは残念」と話した。そして、安氏の辞退についても「遺憾だ」とし、「目標意識が先行したことで検証が安易になったのではないか、(大統領府)自ら心を新たにしなければならない」と述べた。文大統領が人事政局で直接遺憾を表わしたことは初めて。
朴洙賢(パク・スヒョン)大統領府報道官も、「大統領府が検証できないことを国会や国民が指摘すれば、事案を考慮して指名撤回または維持することも可能だ」と話した。批判と柔軟のジェスチアーを同時に持ち出したのだ。これは、大統領府の検証不良が問題となり、残された人事聴聞会と雇用追加補正予算案の処理が難しくなった状況を打開するためと見える。
「自由韓国党」、「国民の党」、「正しい政党」の野党3党は康氏の任命に強く反発した。自由韓国党は、「もはや協力しないという『協治放棄』宣言」とし、「任命が強行された以上、野党の立場は一層強硬になるほかない」と強調した。野党の一部では、国会ボイコットまで議論されており、人事政局をめぐる葛藤は簡単には解けないという観測が流れている。
韓相準 alwaysj@donga.com · 洪壽英 gaea@donga.com