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英総選挙、与党過半数割れ EU離脱影響も

英総選挙、与党過半数割れ EU離脱影響も

Posted June. 10, 2017 08:53,   

Updated June. 10, 2017 08:53

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「英国は安定の時代が必要です。保守党は、今回の選挙でどんな結果になろうと社会の安定をもたらす責任を引き受けます」

8日(現地時間)午後、出口調査の結果、災いとも言える成績表を受けた英国のメイ首相はこのように述べ、惨憺たる心情を努めて抑えているようだった。メイ首相が率いる保守党は、318議席を獲得し、辛うじて第1党を維持したものの、選挙前に比べて12議席も失い、過半数(326議席)維持に失敗した。自分の党内の地位を固めて「ハード・ブレグジット(英国のEU離脱)」を推進するために総選挙を自ら要望したメイ首相には「こぶを取ろうとしてこぶがつけられた」結果となった。

「英国第一主義(BritISh First)」を叫んで昨年6月に欧州連合(EU)離脱を宣言した英国は、安定どころか当分の間、深刻な内紛に包まれる運命だ。独自に政府を構成することもできなくなった保守党の内部では、早くもメイ首相更迭説が出ている。週末を越えることが難しいという報道も出ている。BBCのローラ・クエンスバーグ政治編集長は、「メイ首相の早期総選挙の決定は、現代史上最悪の失敗の一つ」と指摘し、94年ぶりに最も短い在任期間の不名誉を心配する境遇に置かれた。

過半数を超える政党がない、いわゆる「宙吊り議会(hung parliament)」がスタートし、EU離脱の運命も視界ゼロの状態だ。勢いづいた野党は、EUとの単一市場を維持する「ソフト・ブレグジット」を要求している。10日後に始まる英国との交渉を控え、「出て行くなら早く、さっさと出て行け」と要求してきた欧州ももどかしい状況となった。

やはり「米国第一主義(America First)」の旗の下にいろいろ問題の多い不動産王のトランプ大統領を権力の座に就かせた米国人も同日、ジェームズ・コミー前連邦捜査局(FBI)長官の暴露で「嘘つき大統領の国」という屈辱を受けることとなった。米国の政治システムの核心である「牽制と均衡」、「司法機関の独立」を忘却した、「ワシントンのアウトサイダー」トランプ氏の暴走は、全世界の嘲弄の的になっている。

同日、コミー氏の議会公聴会場で会ったワシントン市民のジャック・スピアーズさんは、「トランプ大統領が酷い目に遭うのを見て、その時は気分が良いかもしれないが、米国の地位と自尊心が失墜するのを同時に目の当たりにし、それほど愉快ではない」と話した。

第2次世界大戦後、築いてきた統合と開放という世界史の流れを、昨年、EU離脱と大統領選を通じて分裂と断絶の方向に旋回させようとした英国と米国。「自国利己主義」を叫んで危機に陥った大西洋同盟の不安な歩みに、再び全世界の耳目が集まっている。



董正民 ditto@donga.com · 李承憲 ddr@donga.com