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金正恩氏の飛行機政治

Posted June. 03, 2017 08:39,   

Updated June. 03, 2017 08:40

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が、北朝鮮の各地に自身の専用滑走路を建設し、注目されている。これまでに確認されただけで9ヵ所だ。飛行機の移動を好む金委員長の趣向は、撃墜や事故が怖くて飛行機に絶対に乗らなかった金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記と明らかに異なる。

米ジョンズホプキンス大学(SAIS)米韓研究所のカーティス・メルビン研究員は1日、米国の商業衛星が4月21日に撮影した衛星写真を根拠に、平安北道昌城郡(ピョンアンプクト・チャンソングン)に金委員長の9番目の専用滑走路が建設されたことを明らかにした。

新たに建設された滑走路は、小型航空機の離着陸が可能な約550メートルの長さで、ヘリコプター着陸場や格納庫なども見える。ここからわずか数キロメートル離れた所に、金正日総書記が愛用した昌城別荘がある。金総書記の料理人だった藤本健二さんは、金委員長が子供の頃、夏になると昌城別荘のそばの湖で水上スポーツを楽しんだと明らかにしたことがある。鴨緑江(アプロクカン)のすぐそばに位置するこの別荘には、有事の際に中国に脱出できる地下通路があるという説もある。

昌城以外の8つの滑走路は、△平壌(ピョンヤン)の大城(テソン)区域、ミリム、△平安北道(ピョンアンプクト)妙香山(ミョヒャンサン)、△平安南道(ピョンアンナムド)の殷山(ウンサン)、江東(カンドン)、△黄海道信川(ファンヘド・シンチョン)、△江原道(カンウォンド)の葛麻(カルマ)、松濤園(ソンドウォン)にある。専用滑走路が建設された9ヵ所の共通点は、近くに金委員長の邸宅や別荘があるということだ。滑走路の建設基準が近隣に主要都市や施設があるのかどうかではなく、金委員長が遊びに行きやすい所を中心に決められたと見える。

北朝鮮の劣悪な道路事情のために金委員長が車で別荘に行く場合、半日以上かけて移動しなければならないこともよくある。金委員長はベンツ600を愛用しているという。

しかし、飛行機で移動すれば午前には黄海道昌城の別荘で温泉に入り、午後には元山(ウォンサン)の松濤園で海水浴をすることも可能だ。創成別荘で水上スキーをし、妙香山に行って寝ることも問題ない。

金委員長の外部活動も別荘を中心になされることが多い。最近、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した平安北道亀城(クソン)の方峴(パンヒョン)飛行場は昌城の近くにある。金委員長は執権初期、松濤園別荘に軍の将軍を呼んで射撃と水泳競技をした。一方、専用滑走路が建設されていない咸鏡南道咸興(ハムギョンナムド・ハムフン)の北朝鮮側では、金委員長の現地視察はほとんど行われていない。



周成河 zsh75@donga.com