Go to contents

映画で新アルバム発表、ヨジュが国内初の試みに満足感示す

映画で新アルバム発表、ヨジュが国内初の試みに満足感示す

Posted May. 01, 2017 08:50,   

Updated May. 01, 2017 08:51

한국어

シンガーソングライターのヨジョ(本名シン・スジン、36)が、国内では初めて映画で新しいアルバムを発表した。

彼女が直接演出・作詞・作曲した「私はまだあなたのことが気になって、寝る途中に起きます」(以下「ナアダングン」)である。

ヨジョの5つの新曲が29分物の映画の中に丸ごと含まれているこの作品は、全州(チョンジュ)国際映画祭の「コリアシネマスケープ短編セクション」に公式招待され、先月30日に初めて上映された。映画祭で、映画により、新しいアルバムの発表会を行ったことになる。「ナアダングン」は3日と4日にさらに二回上映される。4日は現場でヨジョの公演も開かれる。

先月26日、ソウル麻浦区(マポグ)にあるカフェで会ったヨジョは、「デジタル音源時代に、1番目の曲から最後の曲までを、創作者が狙った順番でしか聞けないアルバムを制作できないかと考えた末、映画アルバムを構想することになった」とした。

「ナアダングン」は、2013年の2回目のアルバム「私の使い道」以来4年ぶりの新作。映画の物語はこうなっている。三人の若者が済州(チェジュ)島に旅行に行く。ビーチでキャンプをしているのに、隣のテントの大家族があやしい。おばあちゃんが斜めに横になったまま何時間もじっとしている。死んだのだろうか。その翌日の朝に真実が明らかになる。

「人間の最大の悲劇である死が、自分ではなく他人の問題になった時に現れる相違な重さについて語りたいと思いました」

三人の若者が、金浦(キムポ)空港から済州に向かうとき、最初の曲「空港を経て」が流れる。(「私は天国でも、地獄でも…空港を経ていきたい」)済州で買い物をするシーンでは、「オ!嫌いです」で始まる「老い」が流れる。アコースティックポップとポストロックがさわやかな風と重い夜の空気のように入れ替わる音楽は、感覚的映像のブラックコメディと妙に重なる。

ヨジョは、「映画を先に完成した後に、作詞、作曲を始めた」と話した。「編集を終えた映像を流しながら、秒単位まで正確に合わせて曲を書く作業が容易でないから」だ。映像の長さと流れに合わせたため、節-リフレインー節―リフレインの一般公式から外れた曲が出てきた。

テーマの選定と構想は4年前にしたが、映画というものを作ったことがなく、とてもやる気が起こらなかった。昨年、所属事務所の代表と、「利益はないだろうが、楽しさと意味が格別だからやってみましょう」と意気投合した。映画スタッフの経験のある所属事務所の従業員がプロデューサーを務めた。

2013年に書いた同名の短編小説をもとに、1、2ヶ月間でシナリオを書き上げた。済州での撮影は3日間で終えた。「アルバム収録時は私だけがうまくやれば済んだが、映画撮影は、多くのスタッフと俳優たち、天気までを考慮する複雑な作業でした」。彼女は、「私のストレスや不安が周りに伝わらないように、ポーカーフェイスにならなければならず、撮影期間中は出演俳優より、監督である私のほうがさらに渾身の力を尽くしてメソッド演技をした。3日間で30年は老いたような気がする」と笑った。

「ナアダングン」は5月中旬に音源とアルバムとしてもリリースされる。国内外の他の映画祭にも出品する計画だ。来年中にDVDとしても発売したい。

ヨジョは、ソウル北村(ブクチョン)で2015年から運営している書店「無事」を、早ければ6月に済州市舊左邑松堂里(クザウブ・ソンダンリ)に移して再オープンする。しばらく書店を営みながら、済州に滞在するつもりだ。

デビューから今年で10年になった。前作で彼女は、「私の使い道」について自問した。ヨジョは、「ひたすら楽しくて初のアルバムを出した。2回目のアルバムからは使い道について悩み始めた」と言い、「映画は二度と作らない。同じ悩みを繰り返したくないから」と言った。

今回のアルバムは使い道があると自評するかと尋ねると、ヨジョは顔に笑窪を浮かべる。何も言わず、彼女はゆっくりと二度うなずいた。



임희윤기자 イム・ヒユン記者 imi@donga.com