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崖っぷちの北朝鮮、「人質外交」に憂慮

Posted April. 25, 2017 09:25,   

Updated April. 25, 2017 09:26

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北朝鮮の平壌(ピョンヤン)科学技術大学で1ヵ月間の講義を終えて出国しようとしていた韓国系米国人キム・サンドク(米国名トニー・キム、58)前延辺科学技術大学教授が21日、平壌順安(スンアン)空港で出国手続き中に北朝鮮当局に拘束され、80人にのぼる平壌科学技術大学の教授陣が人質に取られるかが憂慮されている。6回目の核実験の強行などで緊張が高まったり、武力衝突が発生したりすれば、彼らがいつでも人質になり得るということだ。

2010年10月、南北合作大学として開校した平壌科学技術大学には、韓国系米国人約30人を含め、米国、カナダ、英国、オーストラリア出身の外国人80人余りが大学の寮で生活し、北朝鮮の学生を教えている。学生は、情報通信、農学生命、金融経営の3つの学部に約400人、修士・博士課程は情報通信、産業経営、農業食品工学など3分野に120人ほどが在学している。平壌楽浪区域にある平壌科学技術大学は、軍部隊があった場所を故金正日(キム・ジョンイル)総書記の指示で学校の敷地にして建てられた。

拘束されたキム氏は、1年ほど前まで延辺科学技術大学で10年ほど会計学を教え、北朝鮮の羅津(ナジン)・先鋒(ソンボン)と北朝鮮側の中朝国境・山岳地帯の孤児や子供、障害者などの世話するボランティア活動を行った。最近では、平壌科学技術大学金融経営学部で1ヵ月間会計学の講義をしたことが確認された。

北朝鮮事情に詳しいある消息筋は、「誠実で献身的な態度で長い間ボランティア活動をし、北朝鮮当局とも良い関係を維持してきたキム氏を拘束したのは、北朝鮮当局がそれだけ追いつめられていることを意味する」と指摘した。また、「米国のトランプ大統領の先制攻撃発言などが続いて緊張が高まれば、平壌に滞在する80人余りの教授陣がいつでも人質になり得ることを示した」と説明した。そして、「北朝鮮当局は、国際的レベルの人材育成のためにこれまで平壌科学技術大学の教授陣に対してビザを迅速に発行するなどの配慮をしたが、今は軍事的に緊急状況だと見ているようだ」と付け加えた。

現在、北朝鮮には、羅津先鋒でホテルを経営し、中朝間の貿易活動をしていた韓国系米国人のキム・ドンチョル博士と米国人大学生のオットー・ワームビア氏がそれぞれ10年と15年の労働教化刑を受けて服役中だ。



具滋龍 bonhong@donga.com