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新世代を虜にしたパク・マクレさん

Posted March. 27, 2017 08:58,   

Updated March. 27, 2017 08:58

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今年に入って、若い世代は「ヨンビョン」(感染症、腸チフスの古語)という言葉にかなり馴染んだ。最近、最も「人気のある」ユーチューブのスターに選ばれた71歳パク・マクレさんの動画を見ると、頻繁にこの言葉が出てくる。日常で口癖のように飛び出る「ヨンビョン」は、全羅道(チョルラド)方言と化学反応を起こして爆笑をかもし出す。これに先立って特別検察官に拘引された崔順実(チェ・スンシル)に向かって、清掃人のおばさんが一喝した「ヨンビョンハネ(感染症持ちが暴れやがって、の意味)」が、「サイダー発言(サイダーを飲んだ時のような、スカッとした気分になる発言 )」で注目された。

◆「ヨンビョン」を笑いのコードに変えたパクさんは、ユーチューブチャンネルを通じて、孫世代のソーシャルネットワークサービス(SNS)のスターに浮上した。一昨日に幕が上がった「SNLコリア」シーズン9のフェイスブック広報に登場するほど、認知度が急上昇している。「70歳のクリエイター」は孫娘と旅立った豪州旅行を皮切りに、ヨガやネイルアート、「歯科に立ち寄った後、市場に行くときのメイクアップ」のようなビューティー動画を掲載して、飾りっ気のない率直な魅力を精一杯発散した。若い女性のビューティー動画のような形式だが、おばあちゃんのひょうきんな反応と話術を見る楽しみが少なくない。デイリーメイクアップを紹介する時は、「顔が小さくなるためには生まれ変わるしかない。これを塗るからといって小さくなるはずがないじゃないか」とぶつぶつとつぶやく。

◆そのおかげで、パクさんは歯科に行けば医師が写真を一緒に撮ろうとについてくるし、飲食店に行けば、若い客らに気づかれるなど、素晴らしい新世界を経験している。動画の企画・編集・撮影は、若い孫娘の担当だ。夫のいない状態で子どもたちを育てるために大変苦労したお婆さんと、子供の頃を一緒に過ごしたため、人一倍格別な絆を持っている。「認知症を患うのではないか怖い」という祖母の言葉を聞いて、孫娘は大きな決断をした。会社を辞めて海外旅行に出たが、その動画が突風を巻き起こしたのだ。

◆最近、教育放送では祖母と孫の二人だけが旅に出る番組「大事なうちの子」も披露した。子供の頃の思い出を振り返りたいという視聴者の切ない気持ちを念頭に置いたはずだ。「ろうそくと太極旗(テグッキ)」が象徴する世代対立を懸念する声が高いが、平凡なおばあちゃんの日常に共感する若い世代を見ながら、大韓民国は老年と青年世代を結ぶ強い感情的輪があることを実現する。まだ希望はある。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com