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中国のTHAAD報復に屈服すれば国じゃない

中国のTHAAD報復に屈服すれば国じゃない

Posted March. 04, 2017 09:00,   

Updated March. 04, 2017 09:02

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中国の観光業を総括する国家旅遊局が、韓国の旅行商品の販売中止を北京から中国全域に拡大しているという。ロッテが星州(ソンジュ)ゴルフ場を高高度防衛ミサイル(THAAD)配備のために提供することが確定すると、中国政府が物証が残らない「口頭指示」を通じて韓国に対する報復措置を直接主導している。中国メディアで「準断交の可能性」や星州軍事攻撃まで議論する状況で、韓国製品の不買や反韓デモなど幼稚な報復がさらに拡散する場合、今年8月に国交正常化25周年を迎える韓中関係の意味も色あせるだろう。

 

米国務省は度を越えた中国の措置に対して、「自衛的防衛を放棄しろと韓国に圧力を加えることは非理性的であり不適切だ」と強く批判した。韓米が昨年7月にTHAAD配備を発表した時、「韓米同盟として決めた」と明らかにしたため、米国の積極的な対応は同盟として当然のことだ。いざ米国には報復の話を取り出すこともできない中国が韓国だけ強迫するのは、韓米同盟と日米韓の対中牽制を弱めようという意図であることは明らかだ。しかし、北朝鮮が韓国を核で先制攻撃すると露骨に警告するにもかかわらず、中国が韓国の自衛的措置であるTHAAD配備のせいにするのは言語道断だ。

北朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射だけでなく、哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没、延坪島(ヨンピョンド)砲撃、金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺など多くの挑発とテロで韓半島の平和を脅かしてきたが、中国は国連の北朝鮮制裁にやむをえず参加するふりをするだけだ。原因提供者である北朝鮮を放置して韓国に圧力をかけることは、北朝鮮が何をしても決して見捨てないという意味だ。中国が北朝鮮核問題の解決で重要な役割をすると期待し、2015年9月、米国の反対にもかかわらず北京の天安門の城楼にのぼった朴槿恵(パク・クンへ)大統領は、習近平国家主席にだまされたのだ。経済関係がいくら飛躍的に発展したとしても、中国との「戦略的協力パートナー関係」が決して韓米同盟に取って代わることができないことを直視しなければならない。

中国が韓国を圧迫するのには、韓国の野党がTHAAD問題を次期政府にまわせと要求することも考慮の要因になっただろう。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代に韓米関係が悪化したことをよく知る中国は、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が大統領になれば、THAAD配備を撤回すると期待するかもしれない。また、韓国が2000年に中国産ニンニクに対する関税を10倍以上引上げ、中国が携帯電話などの輸入中止で過度に報復すると、あわてて尻尾を下ろしたことによる「学習効果」もあるだろう。

日本は2012年に尖閣諸島問題で中国の報復によって莫大な被害を受けたが、強力に対処した。対中牽制のために日米同盟を強化し、軍事力も増強した。国家の命運と直結したTHAAD問題をめぐって韓国が経済的負担のために中国にひざまずくなら、中国は韓国を属国のように考えるだろう。大韓民国の生存と繁栄を後押しした韓米同盟にも深刻な亀裂がもたらされるほかない。大韓民国が政派と理念を越えて一つになり、中国の不当な圧力に堂々と対抗しなければならない。

来月予想されるトランプ米大統領と習近平国家主席の初の首脳会談が中国を変える機会だ。トランプ大統領は、THAADは中国が憂慮することではないと直接説得しなければならない。習主席もTHAADにけちをつけるのではなく、この機に米国と実効性ある北朝鮮核問題の解決策を導き出せばいいことだ。中国が金の力で韓米同盟を揺さぶることができると考えるなら錯覚だ。中国がTHAAD問題で韓国をテストしようとすれば、中国も代価を払わなければならないだろう。