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衝突直前の弾劾列車、阻止する国家長老もいない国

衝突直前の弾劾列車、阻止する国家長老もいない国

Posted March. 01, 2017 07:35,   

Updated March. 01, 2017 07:37

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3.1節の今日、ソウル都心では朴槿恵(パク・クンへ)大統領弾劾の賛否両陣営の大規模デモがある。特に、弾劾に反対する太極旗集会の主催側が大統領府と憲法裁判所に行進する予定で、光化門(クァンファムン)広場に集まる弾劾賛成ろうそく集会の参加者との衝突が憂慮される。警察は、車壁を設置し、警察力を大挙投じて両者を遮断する計画だが、不祥事が起こる可能性は排除できない。

太極旗集会の現場にはたいまつやバットが登場し、鎌やガソリンのケースを持っている人まで目撃されたという。すでに憲法裁の前には連日弾劾賛否デモ参加者の暴言と誹謗、もみ合いが起こっている。和解と統合の政治力を発揮しなければならない政界は、迫る大統領選に没頭し、死生決断式の対決を煽っている。大統領候補までろうそくと太極旗集会に参加する予定だ。皆が愛国を叫ぶが、いざ自分と考えが違えば皆敵とみなす。

状況がこうであるにもかかわらず、誰も出て行って止める人がいないのが昨今の現実だ。丁世均(チョン・セギュン)国会議長は28日、国民に向けた談話文で、政界に対して「国民統合に一次的責任がある政界と政府が葛藤と分裂のさらなる震源になることがあっては決してならない」と強調した。丁議長は、立法府の首長らしく談話文にとどまらず与野党と主要大統領選候補に「潔い承服」を誓うよう尽力しなければならない。黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行も然りだ。2004年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の弾劾訴追可決直後、金融市場が動揺する危機状況で、高建(コ・ゴン)大統領権限代行(当時)は市民団体代表と会って、ろうそくデモの自制を要請し、「一度だけして、これ以上しないよう努める」という約束を取りつけたことがある。黄氏は直ちに太極旗集会側から会って自制を要請することを願う。

さらに、与野、左右を代表する韓国社会の長老も出て、政界だけでなく市民社会に冷静を呼びかけることを提案する。長老が直接集会現場にも出て、相互に自制を呼びかけるのはどうか。故金寿煥(キム・スファン)枢機卿や法頂(ポプチョン)僧侶のような国家長老が懐かしい。3.1節は、日本の植民支配に抵抗して起きた第1次世界大戦後初の大規模な非暴力独立運動だ。民族代表33人は、大衆化・一元化・非暴力の原則によって理念と宗教、老若を問わず、一つになった民族的抵抗を率いた。韓国の民主主義が岐路に立ったこの時、「国が真っ二つになってはならない」と、広野で叫ぶ声が聞こえない。