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不倫と芸術

Posted February. 20, 2017 08:32,   

Updated February. 20, 2017 08:34

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作曲家のリヒャルト・ワーグナーは革命に参加したが、スイスに逃げて裕福な実業家オットー・ヴェーゼンドンクの家で世話になり、彼の妻マティルデと恋に落ちた。 「ヴェーゼンドンクの歌曲集」は、マティルデとの叶わぬ愛を昇華させた恋歌曲だ。指揮者ハンス・ビューロー の妻は、リストの娘コジマだった。コジマは、ワーグナーと恋に落ちて子供まで産んだ。ビューローはこの事実を知っていながら、「トリスタンとイゾルデ」の初公演を行った。2幕では、性愛のシーンを思わせる男女のデュエットが出てくる。コジマはワーグナーの二番目の妻となった。

◆作家金東里(キム・ドンリ)は、生涯3人の女性と付き合った。彼は生前、「最初の女からは子供を、二番目の妻からは財産を、3番目の女からはの愛を得た」と告白したことがある。3番目のの女性だった徐永恩(ソ・ヨンウン)は、2番目の妻と結婚中に出会った、30歳も年下の後輩作家だったので、文壇の話題となった。隠していたスキャンダルは、2番目の妻が癌で亡くなった後、広く知られた。徐永恩はその後、金東里と結婚して、金東里が亡くなるまでの8年間、夫婦として暮らした。

◆映画「カサブランカ」の女優イングリッド・バーグマンは1945年、ロベルト・ロッセリーニの映画「無防備都市」を見た後、「感動した」という内容の手紙を送り、二人はイタリアで会って恋に落ちた。バーグマンは人妻であり、ロッセリーニも同様に妻と別居中の妻帯もちだった。当時、ハリウッドは保守的だったので、どんな映画制作会社もバーグマンが不倫を続ければ、ハリウッド映画には出演させないことにした。バーグマンは恋を選んで、10年間もハリウッドから姿を消した。

◆女優金敏姫(キム・ミンヒ)が18日、ベルリン国際映画祭で、洪常秀(ホン・サンス)監督の新作「夜のビーチで一人」で主演女優賞を獲得した。金敏姬はこの作品で、既婚男性と恋に落ちた女優ヨンヒを演じた。作品の中の「なぜ、みんな、ほっといてくれないの」というセリフは、二人のスキャンダルを思い浮かばせる。金敏姫は受賞所感で「監督、ありがとうございました」の代わりに、「監督、尊敬して愛しています」と語った。洪常秀の映画は、あまりにも現実のような映画だという評価を受けているが、今繰り広げられていることは、余りにも映画のような現実といおうか。