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フィギュアスケート四大大陸選手権の江陵は「羽生フィバー」

フィギュアスケート四大大陸選手権の江陵は「羽生フィバー」

Posted February. 15, 2017 08:35,   

Updated February. 15, 2017 08:35

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14日、江原道江陵(カンウォンド・カンルン)のアイスアリーナは試合がない平日の昼なのに、観客席が熱く盛り上がった。日本最高のフィギュアスケートの日本最高のスタープレイヤー、羽生結弦(23=日本、写真)が練習を行っていたからだ。韓国まで応援に駆け付けた日本人ファンなど200人あまりは、羽生がジャンプを成功すると拍手しながら歓呼した。

16日、同会場で開幕する国際スケート連盟(ISU)四大陸フィギュアスケート選手権に出場するため13日に韓国入りした羽生は、入国当時、仁川(インチョン)国際空港からファンを連れまわった。羽生が登場すると、待ち構えていた日本人留学生など数十人のファンは、「頑張れ」を叫んだ。一部は羽生の大のお気に入りとされる「くまのプーさん」ぬいぐるみを手にもって振るった。

そんなファンに笑みを見せた羽生は短く、簡潔に大会に臨む意気込みを語った。「自分には今必ずやななければならないことがあります。必ず成功させます」。

世界ランキング1位を硬く守っている羽生は欧州勢が抜けた今大会に向けて人一倍の意欲を見せている。今大会優勝ととりわけ縁がなかったからだ。2014年のソチ冬季五輪とISU世界選手権、グランプリファイナルをすべて制した羽生だが、2011年と2013年に開催された四大陸選手権では、いずれも2位に終わった。今回優勝すればフィギュアのグランドスラムを完成することになる。

しかも、今大会が開かれる会場は、来年の今頃に開かれる平昌(ピョンチャン)冬季五輪のフィギュア会場だ。テストイベントで氷質に適応すると同時に、五輪前哨戦を優勝で飾ることで優位に立ちたい気持ちだ。羽生は、「会場の温度や氷の状態、音響がどこまで広がるのかもしっかり確かめたい」と話した。

男子シングルの合計(330.43点)とショートプログラム(110.95点)、フリースケート(219.48点)でいずれも世界記録を保持している羽生は、今大会最有力の優勝候補だ。高得点に欠かせないクアドラプル(4回転)ジャンプのうち、サルコウとトゥループ、ループを駆使できる。クアドラプル・ループ(基本点12点)を男子選手の中では史上初めて成功させた。羽生は、自身を指導するブライアン・オーサー氏とともにカナダのトロントでトレーニングをしながら体力の強化に集中したという。日本メディアのインタビューに「試合後半に体力が落ちてもクアドラプルジャンプを完璧に飛べるという自信が生まれるまで練習を繰り返した」と話した。

羽生の人気で今大会の入場券販売は順調だ。平昌冬季五輪組織委員会の関係者によると、14日までに全7万3000枚のチケットのうち5万8000枚が売られたが、このうち4000枚あまりは日本人が購入したものだという。

この日、会場を訪れた羽生のファン、田中みゆきさん(23)は、「羽生に熱狂する理由は、彼が私たちに希望を与えてくれるからだ」と話した。田中さんの言葉通り、羽生は成功過程で数々の逆境を乗り越えて世界頂点に立った。姉に連れたれて4才のときからアイスリンクを通い始めたが、故郷の仙台にあるアイスリンクが2011年の東日本大震災で床が破壊され、スケートブーツを履いたまま避難したという。

震災で自宅まで破壊された羽生は、アイスショーなどを通じてトレーニング費用を当てながら夢を育んだ。また2才の時から喘息を患い、今も吸入器を持ち歩きながらいつもマスクをつけている。氷の上で生きなければならないフィギュア選手にとって、最悪のハンディキャップを克服して世界的な選手に成長した羽生に日本のファンが盛り上がる所以だ。ソチ五輪で羽生が金メダルを獲得した時、日本メディアは「羽生の金メダルが東日本の復興を再建に向けて勇気をプレゼントした」と評価した。

江陵市鏡浦台(キョンポデ)周辺の宿泊業界も羽生特需にうれしい悲鳴を上げている。鏡浦台のあるモーテルの経営者は、「四大大陸選手権のために韓国を訪問した日本人客が25部屋を団体で予約した。このため、大会期間中は空き部屋がないほどだ」と話した。



鄭允喆 trigger@donga.com