より具体的にこれらの作品の共通点を挙げるなら、ドイツのロマン主義の文豪E.T.Aホフマン(1776~1822)の小説から素材を取ったという点だ。ホフマンはいわゆる「妖精ロマン主義」時代の代表文人と呼ばれる。ベートーベンの生涯とも概ね重なるホフマンの時代には、隣国フランスで自由・平等・博愛で象徴される革命の気勢が吹き荒れたが、ドイツは頑強な保守的体制を維持し、もどかしさを感じた知識人や芸術家が幻想の世界で救援を見出そうとした時期だった。
バレエとオペラは舞台でその内容を簡単に確認できるが、シューマンの作品「クライスレリアーナ」が何を意味するかは音楽ファンであっても誰でも知っているわけではない。8曲で構成されたこの作品は、ホフマンの小説に度々登場する「クライスラー」という主人公を表現している。小説中のクライスラーは音楽家で、ホフマンの「もう一人の自我」、最近の言葉なら彼の「アバター」と呼ばれる。実際にホフマンは小説家であるが音楽にも堪能で、バンベルク市の劇場マネジャーや市管弦楽団の楽長を務めた。ところで、この楽団は昨年来韓した「バンベルク交響楽団」ではない。バンベルク交響楽団は第2次世界大戦後に設立された楽団だ。
今も中部ドイツの「水の都」として有名な観光地のバンベルクに行けば、肩に猫をのせて旅行者を迎えるホフマンの銅像に会える。近くにはホフマンが作品を書いた作業室も復元され、窓から彼の生前の姿を想像してみることができる。
今日(1月24日)は、幻想でいっぱいの人生を送ったロマン主義の文豪ホフマンの241回目の誕生日。
유윤종 ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com