Go to contents

防空識別圏を侵犯した中国爆撃機、THADD配備先を射程に入れた

防空識別圏を侵犯した中国爆撃機、THADD配備先を射程に入れた

Posted January. 11, 2017 08:46,   

Updated January. 12, 2017 10:45

한국어

中国の爆撃機など軍用機約10機が9日、済州(チェジュ)南方の離於島(イオド)付近の韓国防空識別圏(KADIZ)を4~5時間にわたって侵犯していたことが明らかになった。韓国空軍も戦闘機約10機を緊急発進させるなど異例の事態が展開した。中国が最新型爆撃機(H‐6)6機を動員して韓国の高高度防衛ミサイル(THADD)配備地域である慶尚北道星州(キョンサンプクト)まで射程に入れるミサイルを搭載して武力示威をしたことは尋常ではない。

軍は、「あまり発生することではない。慎重に分析している」と明らかにした。中国が韓国を狙って威嚇飛行をしたというよりも、南シナ海や東シナ海など領土対立をしている米国に対する軍事的警告と解釈しているようだ。しかし、韓国としては軽くやり過ごすことはできない。中国の軍用機は昨年1月に2機、8月に3機がKADIZを侵犯し、その度に軍当局は直ちに警告交信を送ったと明らかにした。中国が同じ方式の挑発を3度もしたことは、それだけ甘く見られているということだ。9日午前に起きたことを国民が翌日、日本の報道を通じて知ったことも問題がある。

 

中国がTHADD配備と尖閣諸島の領有権問題で騒々しい韓国と日本に同時に実力行使をし、日米韓軍事協力体制を揺さぶる考えを表わしたとすれば深刻だ。今後、離於島海域は韓中、日米中の鋭い軍事対立の場となる可能性がなくはない。戦略的対応が必要だ。

トランプ氏が米大統領に当選して以降、中国の北東アジアに対する軍事的武力行使は露骨だ。5日には日本の本州と北海道との間にある津軽海峡に軍艦を通過させ、昨年末には米海軍の海洋調査ドローンの拿捕に続き、空母「遼寧艦」編隊を初めて平沢(ピョンテク)海軍基地から400~500キロ離れた青島沖で訓練した。南シナ海の人工島に最大500機ほどの最新鋭対空ミサイルの配備も推進中だ。米国も南シナ海に空母を送る予定だ。米中のパワーゲームによって韓半島が荒波にのみ込まれることは明らかだ。

このような状況にもかかわらず、先月の日米韓次官補級協議で、韓国は米国と日本が提案した3ヵ国共同対潜水艦演習に対して、国内世論を意識して難色を示したという。韓国軍の北朝鮮潜水艦の探知能力が弱いため、海上テロやゲリラ攻撃、潜水艦発射弾道ミサイル攻撃に備えた合同演習の提案だったというが、時期尚早だと断ったという。黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が世論を意識して合同軍事演習の反対を決定したとすれば、安保が最優先と発言すべきではなかった。