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[社説]来年の大統領選を狙った中国外交官の「THAAD反対」訪韓は無礼だ

[社説]来年の大統領選を狙った中国外交官の「THAAD反対」訪韓は無礼だ

Posted December. 31, 2016 08:22,   

Updated December. 31, 2016 08:34

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中国外交部で韓半島の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の対応を統括する陳海アジア局副局長が、外交慣例を無視して訪韓し、各界要人にTHAAD反対を主張していたことが分かった。外交部が年明けの訪韓が良いと意見を出したにもかかわらず、一方的に26~30日に韓国を訪れ、与野党政治家や一部の大統領選候補、シンクタンク、大企業関係者にまで会ったという。

陳副局長は2月、ソウルで開かれた韓中外交次官戦略対話にも出席し、「THAADに対して慎重に行動することを望む」と主張するなど、強性外交官で有名だ。中国政府は、金章洙(キム・ジャンス)駐中韓国大使の面談要請に1ヵ月以上返答せず、THAAD配備を反対する野党議員にだけ積極的に会っている。韓国政府の立場を無視して強行した今回の訪韓は、来年の早期大統領選を控え、THAAD配備世論を分裂させるためではないかという見方が出ているのもこのためだ。公式外交ルートを無視する外交的欠礼であることはもとより、崔順実(チェ・スンシル) ゲートに続く大統領弾劾後の権力移動に備えるという計算までうかがえる。

韓国がTHAAD配備を決めた7月以降、中国はビザ発行の要件と手続きを難しくしたほか、ロッテへの税務調査、電気自動車のバッテリー認証の遅延、韓国産製品の輸入規制や韓流および旅行制限など全方向で圧力をかけている。韓国の生存がかかった安保問題に対して経済を武器に報復しているのだ。中国の習近平国家主席は、「隣国との親密な関係を維持し、心を込めて恩恵を与えて包容する」という外交路線を公式に明らかにしている。表と裏が180度異なる中国をどうして大国と言えるだろうか。

尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官が30日、記者懇談会で、「中国の報復が公式と見るほどの水準ではない」としながらも、「政府として断固対応すべきだが、民間レベルでも大きな枠組みで見る必要がある」と言ったことは、安易で無責任な発言に聞こえる。THAAD問題で韓中間に緊張が高まる微妙で重大な時期に、韓国の影響力ある人々が中国外交官に会うことは慎重と見ることはできない。外交部がまず国論分裂をたくらむ中国に利用されないよう全方向の外交に積極的に乗り出さなければならない。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com