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[オピニオン]エルシティ疑惑と政権不正の記憶

[オピニオン]エルシティ疑惑と政権不正の記憶

Posted October. 26, 2016 08:29,   

Updated October. 26, 2016 08:32

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釜山市海雲台区(プサンシ・ヘウンデグ)には三つの「シティ」がある。センタムシティとマリンシティ、そしてエルシティだ。工事が盛んに行われているエルシティは、海雲台海水浴場の目の前にある。2019年、101階建てのランドマークタワーや85階建ての住居タワーの2棟が完成すれば、「海雲台の桑田碧海」にピリオドが打たれるだろう。昨年、最高で7200万ウォンまで高騰した3.3平方メートル当たりの分譲価格は、このような期待を反映したといえる。ただ、名実ともに最高級住商複合団地になるためには、亀裂があまりにも大きいという問題がある。

◆今回の国政監査で、議員らはエルシティが釜山市などから受けた特別恩恵は、指で数えられないほど多いと指摘した。造成コストが2330億ウォンだった土地が、約2333億6000万ウォンで売られ、当初は駄目だった住居施設が認められた。最高で60メートル以下に制限されていた建物の高さも、400メートル以上も建設できるように用途が変更された。施工を担当したチョンアン建設のイ・ヨンボク会長が1000億ウォン台の裏資金を造成して、政治家や法曹人、公務員など、全面的ロビーを行わなかったならできるはずがない、という疑惑のみ膨らんでいる。

◆釜山地検は一昨日、傘下の東部支庁が担当していたエルシティを巡る不正疑惑捜査を、本庁に移して、検事も追加投入した。国政監査で、最高検察庁の観察部がこの事件と関連して、判事検事の名の乗った接待帳簿の実体を把握するために事実関係を確認しなかったのかと追及されると、検察が後になってじたばたしている。昨年10月に着工する時まで出回っていた様々な疑惑をきちんと把握できるかどうか疑わしいのは当然だ。

◆エルシティ事業が承認を受けた時期は2011年で、朴槿恵(パク・クンヘ)政府とは関係ない。承認後も、この事業は資金を確保できず苦労した。現政府初期だった2013年5月、外国人投資を誘致するため、ここが不動産投資移民対象に指定された。おかしいのは、地域ではなく一般ホテル561室が対象だったことだ。政府は「いかなる特別恩恵もなかった」と主張しているが、真に受けられない。金泳三(キム・ヨンサム)大統領時代の韓宝(ハンボ)へと特別恩恵融資や李明博(イ・ミョンバク)大統領時代のパイシティの許認可などの政権不正が思い浮かぶのは考えすぎだろうか。

異鎭(イ・ジン)論説委員 leej@donga.com