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[オピニオン]OECD加盟20年と韓国経済

[オピニオン]OECD加盟20年と韓国経済

Posted October. 25, 2016 09:27,   

Updated October. 25, 2016 09:28

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スウェーデン小説「オーヴェという名の男」で、主人公であるオーヴェは、59歳でこれまで務めていた会社から首になる。オーヴェは何度も自殺を図り、腐敗した官僚らからいじめを受ける。福祉天国と知られているスウェーデンとはいえ、あまり違わないような気がする。それでも共同体が作った約束なら必ず守り、この過程で腐敗がふるいにかけられる自浄機能があるので、オーヴェは、「幸せな死」を迎えることができた。「スウェーデンをモデルに進めよう」という掛け声だけでは、このような好循環の社会構造は作られない。

◆フランス・パリにある国際協力開発機構(OECD)の韓国代表部に昨年10月に赴任した尹琮源(ユン・ジョンウォン)大使は最近、全体34の加盟諸国のうち、中間からやや下に位置している韓国の存在感を痛感している。先進諸国は暮らしの質を高めるために「成長を超えて(Beyond GDP)」という議論を具体化するものの、韓国は依然、0.1%の成長率にこだわっているという。OECD加盟諸国のモデル事例を目にするたびに、尹大使は気持ちが焦る。事例を分析し、報告書を翻訳して韓国に送りたくなるからだ。そのため、仕事が倍に増えた職員らは苦労している。

◆今日は韓国がOECDの29番目の加盟国になってから20年になる日だ。1996年、OECD加盟のために資本自由化に踏み切ったのがブーメランとなって、経済危機を招いたのも事実だ。「シャンパンを早めに開けた」という批判も自ら招いた。しかし、その間、経済規模は3倍に膨らみ、援助を受ける国から提供する国へと国の存在感が変わった。今は、非正規職の割合が加盟諸国の中では4番目に高く、自殺率が世界トップという成長の副作用に関心を傾けるべき時期に来ている。

◆英経済紙「ビジネス・インサイダー」が、OECD諸国の腐敗度合いを分析した結果、韓国はチリやメキシコ、トルコ、ハンガリー、ポーランド、エストニアなどと共に、最も腐敗した16か国に名を乗せた。腐敗国の1人当たりの国内総生産がすべて下位圏にとどまっているのは、腐敗した状態では持続可能な成長も難しいことを示唆している。韓国は賄賂が最も大きな問題と指摘された。いくら奇想天外な成長政策を練り上げても、腐敗の輪を絶たない限り、空念仏に終わるだろう。

洪守鏞(ホン・スヨン)論説委員 legman@donga.com