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[オピニオン]選挙結果を認めない態度

Posted October. 22, 2016 11:59,   

Updated October. 22, 2016 12:01

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アル・ゴア氏は、ビールをがぶ飲みし、シャツが汗でびっしょり濡れるまで踊った。普段の端正な姿とは違ってネクタイを緩め、そでもまくり上げた。ガールズバンド「ワイルドキャッツ」でドラムを担当したティッパー夫人がドラムを叩いた。ボンジョビなどのロックスターの歌と演奏にゴア氏は拍手し、知人たちとハイタッチした。2000年12月13日夕方、ゴア氏が米国史上最も激しい大統領選の結果を受け入れる演説をした直後に選挙陣営関係者らと翌日未明まで行われたパーティの光景だ。

◆民主党のゴア氏と共和党のブッシュ氏が対決した同年の大統領選では、11月7日の選挙後36日間勝者が確定できなかった。当落がかかったフロリダ州で、ブッシュ氏が僅差で選挙人団25人を確保すると、民主党は票の再点検を求めた。実際に一部の選挙区の票の再点検で票差が減り、州全体で票の再点検をすれば結果が覆るという観測が流れた。しかし、この問題で米国が2つに割れた状態で、連邦最高裁が5対4で票の再点検中止を決めると、ゴア氏はこれを受け入れた。当選よりも社会の統合がより重要だと考えたからだ。

◆米国では、1860年の大統領選挙でスティーブン・ダグラスがリンカーンに敗北を正式に認めて以来、敗者の大統領選受け入れ演説が伝統になった。しかし、19日の第3回テレビ討論会で共和党候補ドナルド・トランプ氏が、大統領選の結果を受け入れるかどうかについて「その時に考える」と受け入れないことを示唆し、論議を呼んでいる。トランプ氏はすでに選挙操作の可能性も提起しており、民主主義の根幹を揺るがし侮辱するトランプ氏に対する批判世論が起こっている。

◆韓国でも野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が、国家情報院の2012年の大統領選介入疑惑に関連して、「大統領選挙は不公正だった。事前に知ろうが知るまいが、朴槿恵(パク・クンへ)大統領はその受恵者だ」などと発言し、大統領選の結果を認めない態度が 問題となった。来年の大統領選を控え、与野党間の政争が熾烈だ。このままでは大統領選の結果を受け入れるかどうかでトランプ氏をまねる人が出てこないか心配だ。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com