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[オピニオン]戻ってきた孫鶴圭

Posted October. 21, 2016 08:25,   

Updated October. 21, 2016 08:26

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2014年の7.30再選補欠選挙当時、京畿水原(キョンギ・スウォン)丙に立候補して落選した孫鶴圭(ソン・ハッキュ)元民主党代表が、その翌日、政界引退宣言をした時、多くの人たちは残念な気持ちを表した。私も8月2日付の本欄に「残念でならない、孫鶴圭」と書いた。2007年の大統領選挙を控え、同年、自分を長官や3回当選議員、道知事に育ててくれた政党を離党したことは気にいらなかったが、孫鶴圭ほど知的で穏健かつ合理的政治家は珍しかったためだ。それでも政界から離れた氏が、大統領権力にこだわって、再び戻ってくることはないだろうと期待した。

◆しかし、孫鶴圭はいよいよ戻ってきてしまった。氏は昨日、政界復帰記者会見で、「今や命運の尽きた1987年の第6共和国の代わりに、第7共和国を切り開くべきだ」と主張し、「政治や経済の新しい勢力図を描けることに、自分のすべてを捧げるためにこの席に立った」と明らかにした。おそらく改憲運動も念頭に置いているのだろう。党籍も捨て、大統領になりたいという気持ちもないという。全羅南道康津(チョンラナムド・カンジン)の土塀の家で2年2か月間隠居しながら、茶山・丁若鏞(チョン・ヤクヨン)を穿鑿した老政治家の苦悩は大きかったのだろう。しかし、すでに2度も「政治的信頼」を失った彼だからこそ、正直にどこまでが真実か見当がつかない。

◆孫鶴圭の政界引退の白紙化を、ほかの政治家たちに比べれば、決定的欠格事由とは思わない。金大中(キム・デジュン)元大統領や李會昌(イ・フェチャン)元ハンナラ党総裁の先例もある。文在寅(ムン・ジェイン)「共に民主党」元代表は今年4.13総選挙時に光州(クァンジュ)に出向いて、「湖南が自分への支持を撤回するなら、未練なく政治の第一線から退く。大統領選挙にも挑戦しない」と約束した。しかし、「共に民主党」の湖南での惨敗にもかかわらず、氏は約束を守るどころか、他人より先頭に立って大統領選挙街道を走っている。

◆我々の関心事は、大統領選挙局面で氏が示す「孫鶴圭政治」だ。氏は「召命としての政治」を強調したが、大統領選挙と切り離して考えるのは難しい。文元代表が陣取っている共に民主党の党籍まで捨てたことを見れば、第3地帯でチャンスをうかがうかもしれない。とにかく政治に復帰しただけに、氏には与野党の極端的対決政治を引き留めてもらいたい。その役割だけをうまくこなしても、政界復帰の名分は十分だろう。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員