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[オピニオン]政治論理から経済が独立する道

[オピニオン]政治論理から経済が独立する道

Posted October. 05, 2016 09:08,   

Updated October. 05, 2016 09:21

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1971年に設立された韓国開発研究院(KDI)は、国内社会科学分野初の「シンクタンク」と言われている。KDIは、1972年に始まった第3次経済開発5カ年計画から、経済計画や政策樹立を支援してきた。第3次計画が主要目標に据えていた重化学工業化が、第1次オイルショックなどの悪材料を克服して、年平均9.7%の成長率を達成するのに、KDIの役割は少なくなかった。今は、市道にも、「○○開発研究院」や「△△発展研究院」が稼働され、有力大統領選挙候補らもシンクタンクを立ち上げている。

◆「国策研究機関」や「官辺シンクタンク」には、経済成長率を楽観的に示す慣行がある。メディアがこれらの研究機関の成長率を、企業研究所の数値と共に出して比較できるようにして久しい。様々な国際行事やスポーツイベントを誘致する時、バラ色の予測を出すことも、官辺シンクタンクの主要業務だ。「経済的波及効果」や「生産誘発効果」などの用語をちらつかせながら、何千億ウォンから何兆ウォンの利益が見込まれるという内容の報告書をまとめる。

◆対外経済政策研究院は2013年忠州(チュンジュ)世界ボート選手権大会を誘致すれば、1159億ウォンの経済効果があるという予測をまとめた。しかし、大会が終わった後、国会予算政策処は852億ウォンの国家的純損失が発生したと計算した。研究院が発注先の影響力を意識したのか、それとも分析の枠が間違っていたのか、その前提となる基本数値が現実とかけ離れたものだったのかは知るすべもないが、予測がなぜ間違ったのかを突き詰める人もいない。

◆社会科学や理工学、医学分野の専門家100人が参加した社団法人「FROM100」(代表はチョン・ガブヨン元延世大学総長)が設立された。未来(Future)社会が直面する危険(Risk)やチャンス(opportunity)を分析して政策を提案(Movements)しようとする中堅学者らの集まりだ。彼らがまとめる10大提言の最初の項目は、「経済の脱政治化」だ。経済懸案だけは政治理念を排除し、経済論理だけでアプローチすべきだという。いくら良い代案を提案しても、政治家らが党利党略に流されれば、実行は難しい。FROM100は、政治に隷属された経済を独立させる方策からまとめてもらいたい。

異鎭(イ・ジン)論説委員 leej@donga.com