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世界初、2人の母親と1人の父親のDNA持つ赤ちゃん誕生

世界初、2人の母親と1人の父親のDNA持つ赤ちゃん誕生

Posted September. 29, 2016 07:28,   

Updated September. 29, 2016 08:32

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米国で母親二人、父親一人の「3人の親を持つ子」が世界で初めて生まれた。二人の母親の卵子を一つに合わせて新しい卵子を作り、これに父親の精子を受精させたものであり、3人の親全員の遺伝的形質を受け継いでいる。

27日、米ニューヨークにある「新しい希望出産センター」の研究チームは、世界で初めて3人の親の子である「アブラハム・ハッサン」を公開した。この子は倫理的問題を避けて、関連法のないメキシコで4月6日に生まれた。ハッサンは現在、生後5か月で健康に育っていると、新しい希望出産センターでは明らかにした。

ハッサンの両親は、子供に遺伝病を受け継がせたくなかったため、このようなやり方を選んだ。ハッサンの実母は、中枢神経系疾患である「リー症候群」の因子を持っている。子供を産みたいと願っていたが、この10年間、胎児を4回も流産し、ようやく生まれた2人の子供も、6歳と生後8月でそれぞれ死亡した。新しい希望出産センターの研究チームは、リー症候群は核ではなく「ミトコンドリア」を通じて遺伝することに着目し、遺伝的病気のない健康な卵子に実母の核を移植する手法を用いた。リー症候群のように、ミトコンドリア遺伝子の序列に突然変異が生じて起きる病気を「ミトコンドリア疾患」という。

研究チームは、5個の卵子提供を受けて実母の卵子核に置き換え、試験管の中で父親の精子と受精させた。そのうち一つの受精卵だけが正常に母親の子宮に着床し、ハッサンが生まれた。

3人の親を持つ子の出産は、人間の遺伝的特性を変更させる技術であり、倫理的議論も持ち上がっている。オランダのマーストリヒト大学遺伝子センターのベルト・スメイツ教授は、「子供の体内で遺伝子に異常のあるミトコンドリア数が増えているのではないか、地道に見守ってから判断すべきことだ」と、慎重な立場を見せている。これについて、ジョン・ジャン新しい希望出産センター代表は、「命を助けることこそ倫理的ことだ」と明らかにした。



신수빈 シン・スビン東亜サイエンス記者 동아사이언스기자sbshin@donga.com