著者は、序文に「企業と契約も交わしていないアーティストが、作品に特定商品のブランドを使うやり方やその理由を理解するために本を記した。目次で目立つ部分に集中して、自由にページをめくっても構わない」と明らかにした。画家であるエドワード・ホッパーやバンクシー、写真作家であるアンリ・カルティエ・ブレッソン 、映画007シリーズやアメリカンサイコ、ビートルズやジェイ・Zなどが、読者に示した寄港地だ。
記者は、8歳の時に国内で公開された映画「ブッシュマン」を選んでページを広げた。40歳以上の読者の中には、コーラの空き瓶を手にしてにっこりと笑うブッシュマンの笑顔を覚えている人たちが少なくない。この本で、ブッシュマンについて扱った文はわずか7ページ。その短い文のおかげで、大平原の果ての渓谷の下に向け、コーラ瓶を投げかけたブッシュマンのイメージを、33年ぶりに「ロード・オブ・ザ・リング」に結びつけることができた。
「この映画は、決してコカ・コーラを好意的に描いていないが、そのブランドは独歩的存在感が認められる空気として表れている。コカ・コーラ側が映画の内容に異議を申し立てなかったわけを、そこから探すことができる」
代表著者は、フランス・パリ第1大学経営大学院で、ブランドや価値研究を手がけている教授だ。残りの11人も、全て経営学専攻者だ。退屈だった大学経営学講義と似ている部分は、本のタイトルを除いてはなかなか目にできない。
손택균기자 ソン・テッキュン記者 sohn@donga.com