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三星、業界初の14ナノ低価格型モバイルAPを量産

三星、業界初の14ナノ低価格型モバイルAPを量産

Posted August. 31, 2016 08:30,   

Updated August. 31, 2016 08:36

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これからは「ギャラクシーS」や「アイフォーン」シリーズなどのプレミアム製品ではなく、安価なスマートフォンにも、14ナノ工程基盤のモバイルアプリケーソンプロセッサー(AP)を搭載できるようになった。

三星(サムスン)電子は、業界では初めて、14ナノ工程を基盤にした低価格型モバイルAP「エクシノス7570」(写真)を量産したと、30日明らかにした。最近、中国メーカー各社が次々と普及型スマートフォンを発売して全体市場の半分以上を占めている中、中低価格スマートフォン用モバイルAP市場を積極的に攻略するという戦略だ。

モバイルAPとは、コンピューター中央処理装置(CPU)のように、携帯電話の「頭脳」の役割を果たすシステム半導体だ。1ナノは10億分の1メートルを表す単位だ。ナノ単位が下がるほど、回路間幅が狭くなり、電子の移動距離が短くなるので、スピードは速まり、消費電力は減ることになる。14ナノ工程で半導体を作れば、従来の28ナノ工程の時より性能は70%、電力効率は30%以上向上させることができる。

14ナノモバイルAPは現在、半導体業界では三星電子だけが量産できる。昨年2月、「ギャラクシーS6」の発売前に、14ナノ基盤プレミアムモバイルAPを量産した。今年2月に普及型製品を発売したのに続き、低価格型まで発売したのだ。

低価格型14ナノモバイルAPは、フルHD映像撮影や再生が可能となる。WXGA(1280x800)解像度と、前面が800万、背面が1300万画素のカメラの解像度を支援する。三星電子の関係者は、「普及型スマートフォンのユーザーたちも高解像や高仕様コンテンツを楽しむことができる」と説明した。

三星電子が価格帯別に製品を発売しているのは、顧客の多角化のためだ。これまで、三星電子はモバイルAP市場の首位メーカーであるクアルコムと、中低価格市場を主導する中国メーカーとの間で苦戦してきたが、14ナノ競争力を打ち出して、徐々にシェアを拡大している。14ナノの量産後、自社の「エクシノス」ブランドの販売だけでなく、大型ファウンドリー(委託生産)市場も育成している。これまで、台湾のTSMCに委託生産してきたクアルコムが、「スナップドラゴン820」から三星電子に任せたのが代表的だ。

モバイルAPを作る三星電子システムLSI事業部は、ファウンドリー顧客の多角化戦略のおかげで、業績改善に成功した。今年第1四半期(1〜3月)は3年ぶりに二ケタの世界市場シェアを回復したのに続き、今年第2四半期(4〜6月)は2000億〜3000億ウォン台の黒字を出した。赤字から免れなかった2年前とはすっかり変わっている。最近は、スマートフォンだけでなく、中国仮想現実(VR)機器メーカーであるディープーンにも、モバイルAPを供給した。



김지현기자 キム・ジヒョン記者 jhk85@donga.com