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トランプ氏、少数系の投票者の心をつかめるか

トランプ氏、少数系の投票者の心をつかめるか

Posted August. 31, 2016 07:13,   

Updated August. 31, 2016 08:41

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米大統領選挙を約2ヵ月後に控え、支持率不振に苦慮している共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏が、黒人やヒスパニックなど少数系投票者の心をつかむためにますます刺激的で過激な発言をしている。少数人種のために努力すると言っているように聞こえるが、「特に対策もなく人種間の対立だけを煽っている」(CNN)という批判も出ている。

トランプ氏は29日、ツイッターに「どれほど状況が悪くなったか見よ。黒人とラテン系が『トランプ氏=安全』というスローガンに投票するのにどれほど多くの犯罪と多くの銃撃がなければならないのか」と書き込んだ。また、「黒人は現在進行していている(彼らに対する)虐殺を私が止めるということを分かっているので、私に投票するだろう」とし、「黒人は(民主党大統領候補の)ヒラリー・クリントン氏のスタイルの政策が貧民にどれほどひどいかよく知っているので私が大統領になることを望むだろう」主張した。

22日のオハイオ州アクロンでの遊説では、黒人など少数系有権者に向かって「クリントン氏は私を人種差別主義者だと主張するが、そうではない」とし、「多くの黒人とヒスパニックの暮らしは危険にさらされている。私が犯罪をなくして皆さんが銃に撃たれず街を歩くことができるようにする」と呼びかけた。これまで予備選で、ヒスパニック移民を性犯罪者や麻薬犯だと攻撃したことと比較すれば180℃の変化だ。

トランプ氏は31日、共和党強勢地域のアリゾナ州で遊説を行い、不法移民問題を含む移民公約を発表する予定だ。FOXニュースは、「トランプ氏が犯罪をした移民に対しては追放など強力な制裁を加えながらも、一部の合法的移民をどのように包摂するか最後まで悩んでいる」と伝えた。また、来月3日にはミシガン州デトロイトの黒人教会「グレイト・フェイス・ミニストリーズ」で、大統領選レース開始後初めて黒人を対象に演説をする予定だ。

少数人種に対するトランプ氏の「豹変」は、ひとまず支持率の面では効果的にみえる。29日、ロサンゼルス・タイムズと南カリフォルニア大学の合同世論調査で、クリントン氏とトランプ氏は44%で支持率が同じだった。同機関の2週間前の調査では、クリントン氏が46%で42%のトランプ氏を4ポイントリードした。トランプ氏の場合、先月、戦死したイスラム教徒の米軍人の遺族に侮辱的な発言をして以降は大きな悪材料はなかったが、クリントン氏はクリントン財団の巨額献金問題や個人メールのさらなる発見などの疑惑が生じ、支持率の差が縮まったとみえる。

しかし、少数人種に対するトランプ氏のあいまいな態度を反対者は「精神病」と非難している。オバマ大統領の側近で2008年の大統領選勝利の功労者の1人であるデイビット・プラフ氏は28日、NBC放送とのインタビューで、「サイコパス候補が1人いる」とトランプ氏を非難した。MSNBC放送の有名女性キャスターであるミカ・ブレジンスキーさんも番組で、「精神健康関連の仕事に従事する人は、この数ヵ月間私たちにこのような(狂った)感情を抱かせる人(トランプ氏)をしっかり見なければならない時だ」と発言した。また、「精神健康問題は隠してはならず、糖尿病や身体的健康問題と同じだ。冗談ではなく、真剣に言っている」と強調した。



워싱턴=이승헌 ワシントン=イ・スンホン特派員 특파원ddr@donga.com