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パラ代表の練習模様のVR映像で最高賞、二人の大学生をつないだのは「車いすのソウル旅」だった

パラ代表の練習模様のVR映像で最高賞、二人の大学生をつないだのは「車いすのソウル旅」だった

Posted August. 26, 2016 07:15,   

Updated August. 26, 2016 08:56

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画面の中にすらっとしたボートの端やオールを握った手が見えた。水をかき分けながらゴールに近づくと、ボートに乗っていた選手の荒い息づかいが聞こえてきた。男子競艇代表パク・ジュンハ選手の「2016リオパラリンピック」出場直前の江原道華川(カンウォンド・ファチョン)での訓練映像だ。

国内では初めて、パラリンピック代表選手の訓練模様を360度の仮想現実(VR)カメラで撮影したこの映像は、LGユープラスが先月から行ってきた「2016コリア360VRクリエーターチャレンジ」大会で最高賞である雇用労働部長官賞を受賞した。制作チームであるハーバード大学政治学科3年生のキム・ゴンホ氏(23)とソウル大学言論情報学科4年生のキム・グァンジュン氏(24)を25日、ソウル龍山区(ヨンサング)漢江(ハンガン)通りにあるLGユープラスの本社でインタビューした。

当初映像を企画したキム・ゴンホ氏は、大学入学前にソウル障害者競艇選手団に所属していた経験がある。金氏は、高校交換生徒時代、スキー場で事故に会い、下半身が麻痺してしまった。好きだったマラソンやサッカーはもはやできなくなったが、つてを頼って紹介を受けた障害者競艇チームで、数か月間競艇を学んだ。「あの時、あまり世間から注目されなかった障害者選手らの姿を、いつかは必ず世間に知らせたいと思っていた」とキム氏は語った。

キム氏は大学入学後、初の休み期間中、気の合う友人たちと50日間、米国の20の州を旅行した。車いすに乗るようになってから初めての長期間旅行の中で、彼は坂道や障害者用トイレを探してさまよったりした。旅行を終えた彼は、車いす旅行者のための本「車輪の上での20の州(20 states on wheels)」を記した。あの時からコンテンツ開発に関心を持つようになった。

キム・グァンジュン氏とは休学期間だった今年、国内で映像プロジェクト「ソウル車いすの旅(Seoul, Take the Wheel)を一緒に作りながら知り合いとなった。ソウルの中で、車いすに乗って自分たちでいたるところを歩き回る映像を作りたくて、撮影を支援してもらえる人を探していたところ、ソウル大学映像制作サークル所属だったキム氏を紹介してもらった。スポーツやクラブパーティーなど、様々なVR映像撮影の経験があったキム氏は、障害者コンテンツ制作提案を喜んで受け入れた。

この二人が一緒に作って、8月初頭に自分たちのホームページ(www.wearemuui.com)やユーチューブに掲載した映像には、車いすに乗った人の目線で見えるソウルが登場する。キム・ゴンホ氏やその友人たちは自然に、ソウルの景福宮(キョンボクグン)や廣藏(クァンジャン)市場、明洞(ミョンドン)の飲食店を歩き回りながら、その風景や食べ物を楽しんだ。

しかし、映像の最後の部分には、場所ごとに障害者トイレやエレベーターの位置、車いすに座って食べられるところを探す方法が出ている。「廣藏市場には寝具類ショッピングビルの周辺に、車いす専用のトイレが一つあります」。「廣藏市場編」に出てくるセリフだ。



곽도영기자 クァク・ドヨン記者 now@donga.com