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[社説]禹氏捜査で特別チームを設置した検察、公正な捜査は可能なのか

[社説]禹氏捜査で特別チームを設置した検察、公正な捜査は可能なのか

Posted August. 25, 2016 07:35,   

Updated August. 25, 2016 08:22

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禹柄宇(ウ・ビョンウ)民情首席秘書官の職権乱用・横領疑惑と、李碩洙(イ・ソクス)特別監察官の監察内容の流出疑惑を同時に捜査する尹甲根(ユン・ガプクン)特別捜査チーム長(高等検察庁検事長)が24日、捜査チームの構成を終え、本格的な捜査に着手した。金秀南(キム・スナム)検察総長は5日間も長考し、禹氏と関係がある部長検事が多いソウル中央地検に捜査を任せず特別捜査チームを構成するなど、苦慮の跡がうかがえる。

しかし、尹チーム長も捜査対象の禹氏と司法研修院19期の同期で、2014年「チョン・ユンフェ動向文書」捜査では反腐敗部長として禹氏と協力した。尹チーム長は、「個人的な関係に影響されて捜査するほど愚かではない」と言ったが、果たして現職大統領の最側近の参謀を言葉のように、公正、迅速、徹底して捜査できるか心配になるのが事実だ。

金秀南検察総長が特別捜査チームを直属に置き、禹氏の捜査を事実上、直接指揮することからも、強い意志がうかがえる。しかし、禹氏が主席秘書官を辞任していないため、捜査の進行報告を受けることになる。被疑者が捜査内容を見るようなものだ。捜査対象者が進行過程を知って対策を講じることになっては、捜査結果に関係なく公正さが疑われざるを得ない。

任期が保障される検察総長として政権の任期末に厳正な捜査をする意志があるかもしれないが、大統領府民情首席秘書官はすべての検察幹部の人事ファイルを握り、人事に影響を及ぼせる地位だ。検察総長の意志がいくら強くても、捜査チームの検事たちは大統領府の顔色をうかがうかもしれない。

過去にも法務部長官や検察の高位職が捜査を受ける場合、辞表を出して検察に出頭した。どうみても禹氏が辞表を出して検察の捜査を受けることが正道であり、政界でもそのような意見が溢れている。与党セヌリ党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表は24日、フェイスブックに「私は任命職や任命権者だけによく見えればいい」という考えは傲慢であり、国民を恐れない公職者は組織を、国を危険にさらすと書き込んだ。丁世均(チョン・セギュン)国会議長も22日、「個人のことで国政全体が漂流するのは実に残念だ」とし、「はやく特別検事に任せて、大統領と政府、政党は国民生活に専念しなければならない」と言ったほどだ。

大統領府は、李碩洙特別監察官の監察内容流出が国の根幹を揺るがすことだと言ったが、今や特別捜査チームの捜査を受けることになったため、一歩後退して捜査結果を待つ必要がある。禹氏をかばったり特別捜査チームの捜査に影響を及ぼしたりしては、結局、国会の特別検事の捜査を受けることになり、朴槿恵(パク・クンへ)大統領の権威が大きく傷つくことになりかねない。