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[オピニオン]ミシェルとサンダースの感動演説

[オピニオン]ミシェルとサンダースの感動演説

Posted July. 28, 2016 07:26,   

Updated July. 28, 2016 07:43

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「毎朝、私は黒人奴隷が造った家(ホワイトハウス)で目覚め、美しく知的な若い黒人女性に育った2人の娘がホワイトハウスの芝生の庭で犬と遊ぶ姿を見る」。26日、米フィラデルフィアで行われた民主党の全国党大会で、ミシェル・オバマ夫人は震える声で話した。8年前、民主党予備選で夫に対抗したヒラリー・クリントン前国務長官への心のこもった支持演説は、米国人の胸を打った。「完璧なホームラン」(ワシントンポスト)、「この演説を聞いて感動を受けなかったとすれば病院に行くべきだ」(CNN)といった賛辞が溢れた。

◆今回の全国党大会は、米国の二大政党の大統領候補として史上初めて女性を指名する意味深い場だ。ところが開幕直前、悪材料が発生した。党全国委員会幹部がバーニー・サンダース上院議員に対して偏向的な予備選管理をしたという内容が含まれた電子メールが暴露された。当然、内輪もめの騒々しい場になると予想されたが、反転が起きた。サンダース氏が政敵のクリントン氏を支持する情熱的な演説で分裂危機に陥った党を一つにしたのだ。

◆サンダース氏は、「最終予備選の結果に私よりも失望した人はいないだろう」とし、「クリントン氏と私がいくつかの争点で考えが違ったことは秘密ではない。しかし、それがまさに民主主義だ」と潔く承服し、結束を呼びかけた。また、「クリントン氏は優れた大統領になれる。今夜クリントン氏と共にできることが誇らしい」と言った。現場で演説を聴いていたビル・クリントン元大統領は目を潤ませ席から立って拍手を送った。

◆サンダース氏の支持層にとってクリントン氏は「この30、40年間、米国を率いた既得権の象徴的存在」だ。同じ民主党員なのにサンダース氏の熱烈な支持者は、「ヒラリーはトランプ同様に悪い」、「ヒラリーに票を入れるぐらいなら緑の党の候補に投票する」と強い反感を表している。しかし、サンダース氏のすばらしい演説は、華やかなレトリックではなく真摯な態度でクリントン反対者の心を溶かした。敗者の成熟した態度、これが米国政治の底力だ。韓国政治でもこのような感動的な場面を見たい。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com



고미석기자 コ・ミソク記者 mskoh119@donga.com