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[オピニオン]公務員試験ブームの主犯

Posted July. 23, 2016 06:56,   

Updated July. 23, 2016 07:29

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韓国の青少年が最も好む職業は?公務員。5年間不動のトップとなっている。親御さんが好む子供の職業の首位は?やはり公務員。未婚の男女が考えている理想的配偶者の職業は?もちろん公務員だ。分裂が日常化された韓国社会で、世代や男女を問わず、全国民がこのように一丸となって「国論統合」を成し遂げた事例はあまりない。

◆「公務員の高地」に向け、求職者たちが全力疾走しながら、公試生(公務員試験準備生)がニュースの主人公としてたびたび登場している。公務員の夢を実現するために、政府庁舎の事務所に侵入して、成績をねつ造した公試生は今裁判を受けている。5月にマンションから飛び降りた公試生のため、全羅南道谷城(チョンラナムド・コクソン)の公務員は、臨月の妻の前で命を落とした。今年4月の国家公務員9級採用試験では、選抜人員4120人に22万2650人が志願して、史上最多の受験者を記録した。地方職の競争も激しく、光州(クァンジュ)広域市9級の任用試験には弁護士も志願した。

◆青年就活者10人中4人が公試生だ(5月基準)。統計庁によると、就活者65万2000人中、25万6000人が公試生で、一般企業の求職者より2倍近くも多かった。国家的浪費だという声が出ているのに、公試ブームが下火にならないのにはそれだけの理由がある。確実な定年保障で、一般企業より長く働くことができる上、それだけ安定的な収入や高い年金を手にすることができる。「今から5年間勉強して7級合格が保障されるとしたらどうする?」、「40歳前に受かるなら、大韓民国のサラリーマンの85%は受験するだろう…」、とある公試生コミュニティに掲載された書き込みだ。

◆とある公試生は、若者たちが公務員にこだわる理由を、それなりにまとめた。「大手企業に入りたいが、実力が足りず、だからといって中小企業には入りたくない」、「よほどのことがない限り首にならないという職業安定性に、報酬も大手企業の初任給とあまり変わらない」、「他人よりは高い身分」をその例に挙げた。毎日のように、身分上昇や権力のパイプとして公職を活用した人たちが新聞の社会面を飾っている。職業に貴賤があるような「錯覚」を植え付けた公職者らの身の振り方が、公試ブームの主犯ではないだろうか。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskh119@donga.com



고미석기자 コ・ミソク記者 mskoh119@donga.com