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[オピニオン]束草の「ポケモンゴー」ブームとAR

[オピニオン]束草の「ポケモンゴー」ブームとAR

Posted July. 15, 2016 07:02,   

Updated July. 15, 2016 07:49

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ピカチュウが現れた!思い出のポケットモンスターが、江原束草(カンウォン・ソクチョ)に現れたというニュースに、束草の町中通りや海辺がポケモンハンターたちでにぎわっているという。一部の芸能人たちがソーシャルネットワークサービス(SNS)に、束草で「ポケモンゴー」のゲームをやっている認証ショット(証拠写真)を掲載したことが、ブームに火をつけた。増強現実(AR=Augmented Reality)技術を利用した「ポケモンゴー」ゲームが、束草周辺でできることが伝わったことで現れた珍風景といえる。

◆韓国はもとより、日本でもまだ発売されていない「ポケモンゴー」なのに、束草で可能なのは、任天堂と一緒にこの製品を開発したナイアンティックの区画地図(Cell Map)のためだ。ナイアンティックは、自分たちで世界をひし形セル(Cell)に分けたが、束草などの一部の地域は北朝鮮地域に編入されたので、グーグルの全地球測位システム(GPS)が作動したのだ。一部では、国家安保を理由に地図データの国外持ち出しを認めない韓国を圧迫するために、グーグルが「ポケモンゴー」が可能なよう、解除したのではないかという陰謀論まで出ている。

◆世界でも、「ポケモンゴー」の熱気はほぼ狂風ともいえる。米国では発売翌日に、アップルのアプリダウンロードでトップを記録した。先週末、ニューヨークやロサンゼルスなどでは、ユーザーたちがポケモンを探すため、観光地や街角に繰り出してきた。スマートフォンに目を奪われたために排水路に落ちてけがをしたり、ゲームに嵌って人気のないところに足を運んで、強盗に遭う事件も起きた。モバイルゲーム市場から遅れて、一時は倒産の危機に追い込まれていた任天堂は、飛翔の翼をつけた。

◆「より良いネズミ捕り器」の言及のあった第10回貿易投資振興会議で、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、有望新産業としてハラルやペットと共に、仮想現実(VR=Virtual Reality)を取り上げた。VRは仮想空間と物を対象にしており、ARは現実世界と仮想現実とを重ね合わせた技術という点では異なるが、我々のレベルでは両方とも、まだ具現するのは容易ではない。「ポケモンゴー」ブームを、ARやVRが人間の暮らしをどれだけ変わらせることができるかを示す指標とみて、我々も参入しなければならない。単に目新しい社会現象と受け止めてはならない。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com