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[社説]漆谷配備が有力なTHAAD、中ロの顔色をうかがうな

[社説]漆谷配備が有力なTHAAD、中ロの顔色をうかがうな

Posted July. 05, 2016 07:35,   

Updated July. 05, 2016 08:37

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北朝鮮の挑発に対応するために高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備する最適な場所として慶尚北道漆谷(キョンサンプクト・チルゴク)の山岳地域が有力視されている。3月からこの問題を協議してきた韓米共同実務団は、平沢(ピョンテク)、陰城(ウムソン)、原州(ウォンジュ)は北朝鮮が長射程砲で攻撃でき、軍事的効用性を低く評価した。漆谷に配備すれば戦時物資と戦闘装備が大量に備蓄された倭館(ウェグァン)、大邱(テグ)の米軍基地と平沢米軍基地、鶏龍台(ケリョンデ)、釜山(プサン)港など核心施設の防衛が可能だ。山岳地域なので地域住民の反対を最小化でき、造成コストが少なく済むという点も考慮された。ソウルは首都圏付近に配備されたパトリオットミサイルで防衛が可能だというのが韓米の判断だ。

北朝鮮は1日、「私たちの核保有と中長距離戦略弾道ロケットによる核先制攻撃態勢の完成は、決して誰かの認定を受けて交渉の前提づくりのために作り出した駆け引きの対象ではない」と強弁した。有事の際、韓半島に投入されるグアムの米軍基地だけでなく、ホワイトハウスまで攻撃すると北朝鮮が脅迫する状況で、韓国が傍観して時間を浪費する余裕はない。左派の一部ではTHAADの迎撃能力に疑問を提起し、米国のミサイル防衛(MD)網への編入を憂慮するが、パトリオットとTHAADを結合して運用する場合、ミサイル迎撃率が高まり、防衛体制が強化されることは明らかだ。

THAADを米国の対中包囲網と見る中国の習近平国家主席は先月29日、黄教安(ファン・ギョアン)首相にTHAAD配備に反対する考えを繰り返し明らかにした。これに先立ち、習主席とロシアのプーチン大統領は先月25日の首脳会談でも、THAAD配備に反対した。中国では、THAADを配備した場合、韓国に経済報復するという話もあるが、それを恐れて韓国の安保主権を放棄することはできない。

THAADが大韓民国の存立に必要なら、朴槿恵(パク・クンへ)大統領が国の安全を守ることで習主席の顔色をうかがう理由はない。北朝鮮の核賭博の人質にとらわれるのか、すべての攻撃的・防衛的手段を動員して北朝鮮の核を無力化するのか、決断する時間が迫っている。いくら韓中関係が重要でも、国民の生命と財産を守ることよりも優先することはできない。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com