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[オピニオン]魯会燦氏の「歳費半額削減論」

[オピニオン]魯会燦氏の「歳費半額削減論」

Posted July. 05, 2016 07:35,   

Updated July. 05, 2016 08:37

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ローマ市民は所得税を収めない代わりに、兵役義務を負った。国は兵士たちに給料を支払わずに寝食だけを提供した。市民は戦争に必要な剣や盾まで、自分で調達しなければならなかった。ローマの政治家、すなわち元老院議員は、給料などは受け取らなかった。むしろ、除隊する軍人の年金のために相続税を収めた。政治や戦争は、皆のモノ(res publica=共和国)のためのことであり、市民は喜んで報酬無しで果たすべき仕事だと受け止められていた。

◆ドイツの学者・マックス・ウェーバーの「職業としての政治」には、二種類の政治家が登場する。政治を副業としている政治家と主業としている政治家だ。前者はその大半は報酬がなく、後者は有給だ。ウェーバーは、報酬が何ら意味を持たなかった富裕な名士ら中心の政治から、リーダーを中心に政党組織を通じて一糸乱れず動く「職業としての政治」への変化を、懸念と期待が入り混じった目で見た。

◆国会議員の兼職許容は、「副業としての政治」の名残といえる。韓国議員の歳費は年1億4000万ウォンで、米国や日本よりは低く、英国やフランスよりは高いが、単純に比較するのは難しい。フランスでは、議員が地方自治体長を兼ねているケースが多く、英議員もほぼすべての職業への兼職が認められている。一方、米国は歳費の15%以上を外部から稼ぐことができず、日本は歳費の半分以上を稼げば届け出なければならない。韓国は、弁護士や教授、社長、取締役などの兼職を最初から禁じている。

◆野党正義党の魯会燦(ノ・フェチャン)院内代表が昨日、国会演説で、歳費を半分に削減しようと提案した。国民は、10%や20%ならともかく半額削減は現実性がないことを知っていながら、拍手を送った。実は歳費は、議員を維持するのにかかる経費に比べれば、10分の1にも満たないだろう。「半額歳費」を実現するためには、親族までを連れてきて使う補佐陣を7人から3、4人に減らすことから始めなければならない。正義党としては、歳費の半分を出すことはできても、政治に頼って食べていく職業補佐官らを減らすことはさらに難しい。魯氏がそのことの先頭に立つことになれば、なおさら大きな拍手を受けることになるだろう。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com