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[社説]北朝鮮の操業権を買って西海漁場を乱獲する中国漁船をただ見ているのか

[社説]北朝鮮の操業権を買って西海漁場を乱獲する中国漁船をただ見ているのか

Posted July. 04, 2016 07:35,   

Updated July. 04, 2016 08:14

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北朝鮮が今年、中国に例年より3倍多くの1500隻規模の漁業操業権を売り、3000万ドル(約343億ウォン)を手に入れたと、国家情報院が1日、国会情報委員会に報告した。操業権販売代価として受け取ったのは1隻当たり2万ドル。2004年に中国遠洋漁業協会と北朝鮮共同漁業協会が民間漁業協定を締結した後、北朝鮮水域で操業する中国漁船は1隻当たり約4万ドル(25万元)を支払ったが、今は操業料が半分の水準に下落した。国際社会の北朝鮮制裁で昨年より兵器輸出が88%急減し、石炭輸出も40%減少したため、北朝鮮は操業料収入に執着しているようだ。

北朝鮮の操業権を買った中国漁船は、延坪島(ヨンピョンド)付近の黄金漁場に群れを成して不法操業をし、西海(ソヘ、黄海)上の北方限界線(NLL)付近まで迫っている。中国船が南北対峙状況から生まれた死角地帯である漢江(ハンガン)河口まで出没すると、韓国軍と海洋警察が1953年の休戦協定締結後、初めてこの水域一帯で大々的な取り締まりを行った。国家情報院は、「中国漁船のために漁獲量が減り、環境汚染がひどくなり、北朝鮮住民の不満が大きい」と伝えた。しかし、西海漁場を乱獲する中国船のためにより大きな被害を受けるのは韓国の漁民だ。

黄教安(ファン・ギョアン)首相は先週、中国を訪れ、習近平国家主席と李克強首相に中国の漁船の不法操業を取り締まるよう要請した。これに対して、習主席は、「問題解決に向けて真剣に努力しているが、時間が必要だ」と答えた。韓国が望むほど強力な取り締まりは難しいということを遠まわしに言ったのだ。西海で操業する中国漁船は約100万隻、漁民が3000万人にのぼる。習主席が2013年6月、朴槿恵(パク・クンへ)大統領との初めての首脳会談で、西海を「平和協力友好の海」にすると言った約束が色あせる。

国連は3月2日、北朝鮮制裁決議2270号を通じて石炭や鉄鉱といった鉱物の輸出を禁止したが、北朝鮮の金脈をつかむ措置に操業権は含めなかった。しかし、北朝鮮に入るすべての外貨が核とミサイル開発に転用される可能性が高いため、さらなる挑発で制裁を強化する場合、操業権も含めなければならない。中朝間の操業権取引が韓国漁民の莫大な被害に直結する状況を他人事のように傍観してはならない。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com