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[社説]金第1書記の特使を迎える中国、世界が見ている

[社説]金第1書記の特使を迎える中国、世界が見ている

Posted June. 01, 2016 07:21,   

Updated June. 01, 2016 07:38

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北朝鮮の外相を務めた李洙墉(リ・スヨン)労働党政務局副委員長が31日、大規模な代表団を率いて中国を訪問した。今年1月の4回目の核実験後、中国を訪れた北朝鮮の最高位だ。スイス大使も務め、留学中だった金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の世話をした李氏は、最高指導者の信任が厚く、特使と見られている。北朝鮮は、李氏の訪中直前の31日午前、江原道元山(カンウォンド・ウォンサン)付近から中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射を試みたが、移動発射台で爆発して失敗した。中国との関係改善に乗り出しても核とミサイルは放棄しないという考えを表したのだ。

北朝鮮の核実験と長距離弾道ミサイルの発射を阻止するために、国連安全保障理事会は3月2日、過去最強の北朝鮮制裁決議2270号を採択した。それから3ヵ月が経つ6月2日までに国連加盟国は履行報告書を提出しなければならない。これとは別に米国、日本、欧州連合(EU)も独自制裁に出た。北朝鮮が最近、軍事当局会談の開催を求めて韓国に対して平和攻勢を行ったのに続き中国と対話に出たのは、国際社会の制裁が徐々に強まっているものの中国の制裁が鍵になるためだろう。

李氏の訪中は、2013年2月の3回目の核実験で国連の北朝鮮制裁が発効されて3ヵ月後に崔竜海(チェ・リョンヘ)氏が特使として中国を訪問したことを連想させる。崔氏が6者協議再開の意思を明らかにし、中国の北朝鮮制裁は緩和されたが、その後変化はない。休戦ラインの木箱地雷挑発に続き4回目の核実験まで行い、核能力を高度化する時間を稼いだだけだ。今回も、韓半島非核化交渉と平和協定交渉の並行を主張する中朝両国は、再び対話局面への転換を図る可能性が高い。過去のように核開発のための時間稼ぎの交渉戦術に再びだまされてはならない。

31日に発射に失敗した北朝鮮の「ムスダン」は射程距離が3000~4000キロ、核弾頭を搭載してグアムの米軍基地まで攻撃することができる。北朝鮮が李氏の訪中に合わせて発射しようとしたことが何を意味するのか、中国が分からないはずはない。中国は、過去よりも積極的に国連制裁を履行するというが、北朝鮮が崩壊し北朝鮮住民の生存を脅かすほど強行にはしないだろう。北朝鮮がもう少し持ちこたえれば核保有国と認められるという妄想を抱き続けるのも、中国を信じるためだ。

李氏の訪中は、中国が果たして国連安保理常任理事国として北朝鮮の核問題を解決する意志があり、その責任を全うするのかを国際社会が確認できる機会だ。この機に、李氏が核放棄の他には生きる道がないという厳しい現実を金第1書記に報告させるようにしてこそ、韓国を含む国際社会が中国を信頼することができる。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com