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[オピニオン]太った済州

Posted June. 01, 2016 07:21,   

Updated June. 01, 2016 07:39

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きれいな空気や新鮮な海産物がありふれている上、オルレ道(整備されたワーキングコース)のある済州(チェジュ)。想像するだけで健康な暮らしができそうな気がするが、このような天恵の環境に住む済州島民たちが太っているという。東国(トングク)大学一山(イルサン)病院の呉尚禹(オ・サンウ)教授チームが、国民健康保険公団の健康ビックデータ1500万件を分析した結果、済州島民の腰周りは81.8センチと、全国で最も太かった。最もやせた光州(クァンジュ=79.9センチ)より2センチも太く、肥満度を表す体質量指数(BMI)も24.3で最も高かった。さすが、「デブ島」といえる。

◆済州島は、共働きの割合が61.5%で全国トップだ。両親が面倒を見ることができず、子供だけが家庭で過ごす時間が多いせいで、カロリーの高いファーストフードで食事を済ましているというのが、研究チームが分析した肥満の理由だ。島地域の特性柄、バスや地下鉄などの公共交通手段が少ないことも、重要な要因となっている。かつては、バスがなければ歩いたが、今は近い距離も簡単に乗用車で移動する。

◆島民だからといって、皆太っているわけではない。ハワイは米50州のうち、コロラドに次いで肥満度が最も低い。一方、日本の沖縄は正反対だ。30年前までは沖縄は日本で100歳人口の比率や平均寿命が最も高い長寿地域だったが、今は肥満比率が本土人の2倍に上る健康危険地域となっている。食生活の変化のためだ。かつて、沖縄の人たちは魚や豆、わかめ、野菜を大量に摂取したが、米軍の駐屯によって、ファーストフードが早いスピードで拡大された。日本初のマクドナルドチェーン店が出店したのもほかならぬ沖縄だ。

◆韓国では、蔚山(ウルサン)や大邱(テグ)、光州(クァンジュ)の順で超高度肥満比率が低い。米国はニューヨーカーがほかの地域の住民より痩せている。米紙ニューヨークタイムズは、「ニューヨークでは歩かざるを得ないからだ」と分析した。米ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公たちも、マンハッタンのビルの森を車無しに歩き、また歩く。粒子状物質のないきれいな環境とはいえ、健康の柱は食生活や運動だ。元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州知事は、デブ島の汚名から脱するために、ダイエットやウォーキングプロジェクトでも打ち出さなければならないかもしれない。すでに沖縄がこのプログラムを実施している。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com