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[オピニオン]文在寅氏の追悼、「来世は男で」

[オピニオン]文在寅氏の追悼、「来世は男で」

Posted May. 20, 2016 07:54,   

Updated May. 20, 2016 08:01

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「来世は、たとえ昆虫でも男に生まれたいと言ったら、参加者が皆共感した」。2013年、趙允旋(チョ・ユンソン)女性家族部長官が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが主催したイベント「WSJカフェ・イン・ソウル」での発言だ。2012年にパリで開かれた経済協力開発機構(OECD)主催のフォーラムでこのように話したということだ。エリートの中のエリートとして、日の当たる場所だけを歩いてきた女性長官が、雄の昆虫に生まれたいほど差別を受けたという話に共感できないという批判が起こった。

◆「『来世はぜひ一緒に男に生まれましょう』悲しく申し訳ない」。居酒屋のトイレで「通り魔殺人」に遭った20代女性の追悼場所になった江南(カンナム)駅10番出口を18日に訪れた直後、野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表がツイッターでつぶやいた。「来世はぜひ男で…」というある女性追悼者が現場に残した書き込みを文氏が引用したというが、有力な大統領選候補が殺人被害者の追悼に適切な文面だったかをめぐって論議が起きている。

◆犯人のキム容疑者は、居酒屋のトイレに隠れ、犯行対象者が来るのを1時間半ほど待った。警察で、「女性に無視され犯行に及んだ」と供述した。しかし、この事件を女性嫌悪犯罪と断定するのは危険だ。まず、供述の信憑性が薄い。精神分裂症を患った犯人は、08年から4度も長期入院をした病歴がある。犯人が怒りを表出する相手が必要で、その対象が防御能力の弱い女性だったと見るべきだろう。

◆「通り魔殺人」の被害者を追悼することは、政治家として十分に考慮できる疎通の振る舞いだ。しかし、指導者なら事案の本質を正確に見なければならない。今回の事件を「女性嫌悪男性対女性」の枠で見る一部の意見を文氏が無批判に追従したようで残念だ。男でも女でも通り魔犯罪の犠牲者になり得る。たとえ女性嫌悪殺人だとしても、政治家がすべきことは男女が互いを差別せず女性が安心して暮らせる国を作ることだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com



정성희기자 チョン・ソンヒ記者 shchung@donga.com