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[社説]「オキシー報告書」を操作した教授らの研究倫理はどこに行ったのか

[社説]「オキシー報告書」を操作した教授らの研究倫理はどこに行ったのか

Posted May. 06, 2016 07:23,   

Updated December. 21, 2017 11:08

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「殺人加湿器殺菌剤」を捜査している検察が一昨日、殺菌剤有害性実験報告書を操作した容疑で、ソウル大学のチョ某教授や湖西(ホソ)大学・ユ某教授の研究室や自宅について家宅捜索を行い、チョ教授を収賄容疑で緊急逮捕した。検察は、英国系企業であるオキシー・レキットベンキ―ザーがポリヘキサメチレングアニジン(PHMG)の有害性を知っていながら、2001年からPHMG入りの殺菌剤を作って販売したのかどうかについて集中的に捜査している。有害性を知っていたなら、単なる過失致死を超えて、未必の故意による殺人に当たるという見方もある。

オキシーは2011年、疾病管理本部が殺菌剤が人体に有害だという疫学調査の結果を発表すると、これに反ばくするため、2011〜2012年、二人の教授に実験を依頼した。チョ容疑者はPHMGを吸入したら体に悪いかを、ユ容疑者はPHMGが人体に入ることができるかどうかなどについて実験してほしいという要請を、オキシーから受けた。二人が「PHMGと被害者死亡との間の因果関係ははっきりしていない」という内容の報告書をまとめると、オキシーはこれを検察や裁判所に提出し、被害者らとの示談の時も示した。

しかし、オキシー側の要求によってチョ容疑者は、従来の実験では10倍まで設定する動物吸入毒性の最大露出値を4倍に減らして実験を行ったことが明らかになった。ユ容疑者は、研究の基本倫理すら守らず、オキシーの職員が住むマンションで実験を行ったことが先月明らかになった。研究委託費2億5200万ウォンを受け取ったチョ容疑者はオキシーから、「疾病管理本部の実験結果を覆す報告書を早くまとめてほしい」という催促と共に、毎月1000万ウォン余りを別途受け取った容疑も持たれている。

これまで、加湿器殺菌剤によって死亡が確認された人だけでも146人(政府集計)に上るが、そのうち、オキシーによる犠牲者が80%に上る。オキシーの金に学者的良心を見捨てた二人の容疑者は、毒性分野では国内最高権威者たちであり、衝撃的なことだ。毒性について知っていて、実験結果を操作したなら、殺人殺菌剤の有害性を隠ぺいしたオキシーと共犯といえる。

特に2005年、「黃禹錫(ファン・ウソク)騒ぎ」以降、研究倫理指針を強化したソウル大学で、どうしてこのような出来事が起きたのか、大学側も責任から逃れがたい。国会は最大野党「共に民主党」が昨日提案した特別委員会を、第19代国会の会期内に立ち上げ、政府と検察の危険物質管理責任や手遅れ捜査についてまで徹底的に解明してほしい。