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豪快なCGアクションにユーモアと感動コードまで 映画「ジャングルブック」

豪快なCGアクションにユーモアと感動コードまで 映画「ジャングルブック」

Posted May. 06, 2016 07:23,   

Updated May. 06, 2016 07:52

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技術的には「アバター」や「ライフオブパイ」、感性的には原作小説や「ライオンキング」の成功を的にした作品だ。10点満点基準では、技術的面ではボーナス点数まで加えて10.1点、感性的面では7点となる。

最近、米カリフォルニア州ロサンゼルスのとある映画館で、ディズニー映画「ジャングル・ブック」(国内では6月公開)を3Dで見た。ストーリーの展開は原作小説や童話、1967年作のアニメとあまり変わらない。

狼たちによって見つかり、オオカミによって育てられた人間の子供であるモーグリ(ニール・セディ)は、ジャングルの無法者であるベンガル虎・シア・カーン(イドリス・エルバ、以下は吹き替え俳優)から、ジャングルを離れなければ殺されるだろうと脅かされる。離れる旅路は穏やかではない。モーグリは巨大なインド王蛇であるカー(スカーレット・ヨハンソン)から攻撃を受けて、彼を助けてくれた熊のバル―(ビル・マーレイ)と友達になるが…。

今回の「ジャングルブック」はアニメではなく実写映画だ。画面を見ていると、先端コンピューターグラフィックの技術の力が怖くなった。スクリーンの中で現実と仮想との境目が全く感じられなかったからだ。トラや象、豹、オオカミを始め、様々な動物やジャングル、滝などのすべての背景は、コンピューターグラフィックであるにも関わらず、ただ一つのリアルであるモーグリと本物のように自然に一つになる。「縫い目の跡」を見つけることができなかった。人間をしのぐ動物たちの表情演技は、涙を誘うほど生き生きしている。

傷はある。ジョン・ファブロー監督(「アイアンマン」の1、2シリーズを演出)は、ひとまず導入した先端グラフィック技術で、「アバター」と真っ向から勝負しようとしたようだ。作品の重点がアクションにはっきり偏っている。華やかなアクションの強い印象が、散在しているユーモアや感動コードをむしばむ。サルの群れがジャングルを飛び回りながらモーグリを連れ去るシーンから、オランウータンの王であるルイ(クリストファー・ウォーケン)の寺院からモーグリが脱出するくだりまで続くハイライトのアクションは、息つく暇すらない。当然、3Dで見てこそ本当の味を味わうことができる。子供連れのパパたちが、あくびをすることはなさそうだ。記者の隣に座っていた地元の成人観客は、上映中ずっと大声で叫んだ。

モーグリと怠け者の熊・バルートの一風変わった友情、小象に対する献身ぶりに感動的ストーリーの焦点を当てているが、前後のつながりや細かな感情の表現が弱く、なかなか共感できない。結末も同様に、大人まで泣かせるには物足りない。

些細な物足りなさはあるものの、大人と子供共に時間を忘れて、打ち込むだけの作品ではある。やはり長く記憶に残るのは映像の残像だ。

物凄い先端技術のおかげで、制作チームや唯一の出演者であるモーグリは、ジャングルに入る必要すらなかったという。ジャングルどころか、ロサンゼルスの都心で100%撮影された。とうてい信じられない。



임희윤기자 イム・ヒユン記者 imi@donga.com