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[社説] 米共和党候補トランプ氏、本格的な研究と対策が必要だ

[社説] 米共和党候補トランプ氏、本格的な研究と対策が必要だ

Posted May. 05, 2016 07:40,   

Updated May. 05, 2016 07:45

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不動産富豪のドナルド・トランプ氏が4日、米共和党の大統領選候補に事実上、確定した。トランプ氏がインディアナ州予備選で圧勝すると、2位走者だったテッド・クルーズ上院議員が辞退し、全党大会を主管する共和党首脳部もトランプ氏を党大統領選候補に認定した。6月まで民主・共和両党の予備選は残っているが、11月の大統領選はトランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン前国務長官の対決になることが確実視される。

トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を設け、ムスリムの入国を禁止するといった過激な発言を繰り返した。資質を疑わせる人種・宗教・女性差別発言で、ワシントン政界や財界、学界の既得権層、主流メディアに排斥されたのも事実だ。にもかかわらず、トランプ氏が共和党候補になったのは、グローバル化やテクノロジーの進化、米国内の少数人種の急成長で失業と生存の危機を感じる中産層以下の白人と低所得層が「アメリカ・ファースト」(米国第一)の愛国主義と保護貿易主義を主張するトランプ氏のポピュリズムに熱狂するためだ。

たとえトランプ氏が共和党の票を取っても、大統領選では民主党のクリントン氏に敗北するという見方がこれまで優勢だった。しかし、2日の米ラスムセンの世論調査で、トランプ氏は41%の支持を得て、39%のクリントン氏を誤差範囲内でリードした。もはやトランプ氏は大統領選で無視できない流れになった。「大衆にはトランプ氏がクリントン氏に比べて経済に精通した候補というイメージに映っている」と、大韓貿易投資振興公社ワシントン貿易館が報告する。クリントン氏が、外交、安保、国政経験などで高い評価を受けているが、「変化」に合わない既成政治家というイメージが強い。

国際社会は、トランプ氏の大統領選進出を憂慮の目で見ている。特に韓国は、トランプ氏の保護主義経済政策や孤立主義外交政策の直撃弾を受けかねない。トランプ氏は、韓米自由貿易協定(FTA)などすべてのFTAを再検討し、中国、メキシコ、韓国などの主な貿易国に高率の関税を課すと公言した。米軍の負担を減らすために韓国側の負担増加を主張し、韓国と日本の核武装まで容認できると発言した。

11月の大統領選でトランプ氏がクリントン氏に敗れるとしても、ワシントンのアウトサイダーを大統領選の本戦に上げたことは、米国人の考えが大きく変わりつつあることを意味する。韓国の安保と経済の基盤を揺るがしかねないトランプ氏の政策と参謀陣に対する本格的な研究と対策が必要だ。



송평인기자 ソン・ピョンイン記者 pisong@donga.com