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[オピニオン]大統領のイスラム「ルサリー」ファッション

[オピニオン]大統領のイスラム「ルサリー」ファッション

Posted May. 04, 2016 07:33,   

Updated May. 04, 2016 07:46

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英国王室の礼法によると、女王が話しかけるまで口を開いてはならない。身体の接触も禁止だ。2009年、バッキンガム宮殿のレセプションでオバマ米大統領のミシェル夫人が米国式の親近感を示すために女王の肩に腕を伸ばして欠礼問題が起こったのもこのためだ。

◆イランを国賓訪問中の朴槿恵(パク・クンへ)大統領のルサリーファッションをめぐって意見が交錯している。ルサリーは髪の毛と首を隠すヒジャブの一種。一部のネットユーザーは、「女性抑圧の道具であるヒジャブを快く着用した朴槿恵」、「考えも自尊心もない大統領」と非難した。某キリスト教団体は、「ヒジャブはまさにイスラム信者であることを意味する」とし、「屈辱的な外交」と論評した。しかし、これに反論する声も多い。「ヒジャブ=女性抑圧」という単純図式が宗教の伝統と文化アイデンティティを守ろうとするムスリム女性を卑下するという指摘だ。過去、アブダビに行った英エリザベス女王が頭にスカーフを巻いた写真を紹介し、「伝統尊重の表示」として朴大統領のヒジャブを擁護したネットユーザーもいた。

◆ミシェル夫人は昨年、サウジアラビアで髪の毛を出したが、その5年前にインドネシアを訪問した時はスカーフで髪の毛をしっかり隠した。ヒラリー・クリントン前国務長官はどうだったか。2012年にサウジではヒジャブを着用しなかったが、2009年のパキスタン訪問時は着用した。同じイスラム圏国家でも、その時その時で違う。大統領府は、イスラム文化と現地律法を尊重してルサリーの着用を決めたという。朴大統領が、1979年のイスラム革命後にイランを訪問する初の非イスラム圏女性指導者という点も考慮した。

◆映画『ギングスマン』に、「マナーが人を作る」という台詞が登場する。マナーとは、自分が受けたい待遇を相手にすることだ。本当のグローバルマナーも、文化的違いを認めて相手を配慮するところから出発する。経済協力だけでなく訪問国の国民から好感を得て良い印象を残すことも首脳外交の成果だ。自分の家に招いた客がどのように行動すればいいかを考えれば、即座に結論が出てこないだろうか。

高美錫(コ・ミソク)論説委員mskoh119@donga.com



고미석기자 コ・ミソク記者 mskoh119@donga.com