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[オピニオン]朴大統領の祝いの蘭

Posted May. 02, 2016 07:31,   

Updated May. 02, 2016 07:42

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「すばらしく細い葉、固まったように柔らかく/赤紫の太い大孔、白い花が広がり/露は玉になって脈によって走った//本来その心は美しさを楽しみ/清い砂の隙間に根をはり/微塵も近づけず雨露を受けて生きる」。嘉藍・李秉岐の詩「蘭草」の最後のニ節だ。蘭の清楚さと脱俗を目の前に描くように歌った。蘭は花と葉、香りをすべて備え、四君子の中でも、竹、菊、梅を抜いて「君子の中の君子」に挙げられるという。

◆秋史(チュサ)金正喜(キム・ジョンヒ)は、済州島(チェジュド)に島流しに遭った時、自分の世話をしに来た息子の商佑(サンウ)に「示佑蘭」を描き、次のような言葉を書き入れたという。「蘭を描くことは自分の心を偽らない態度から始まらなければならない。葉一枚、花芯一つも自分の心に恥じない後に他人に見せることができる」。昔から蘭は高潔さの象徴だった。朝鮮のソンビ(学識が優れて礼節があって義理と原則を守って権力と富裕栄華を貪らない高潔な人柄を持った人に対する呼称)たちは、蘭を近くに置き、自らを慎み、振り返った。

◆最近は、当選、昇進、開業、誕生日などに祝いの意味で蘭を贈る。とろこで、蘭の種はとても小さく、発芽に必要な栄養分を持っていないらしい。その代わりに、土の中にいる特定の菌から栄養を受けて発芽し、根が育った後にこの菌に栄養を返えす共生関係を維持するという。孤高なイメージとは違って、自分の足りない部分を共存の知恵で補完している。

◆大統領府が、先月末に推戴された野党「国民の党」の朴智元(パク・チウォン)院内代表と金成植(キム・ソンシク)政策委議長に、朴槿恵(パク・クンへ)大統領の名で祝いの蘭を贈った。第3党の政策委議長にまで蘭を贈り、祝いの意を伝えたのは初めてだという。2月、野党「共に民主党」の金鐘仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長が朴大統領の誕生日に贈った祝いの蘭が「三顧草蘭」ハプニングを醸した。朴大統領は、蘭や花輪、造花を贈ることにも格を問い、気難しいという。「与小野大」の総選挙結果が、朴大統領が蘭を贈る心も変えたのか。政治家たちが蘭をやりとりし、君子の徳性と共存の方法も共に学べばいいのだが・・・。

異鎮(イ・ジン)論説委員leej@donga.com