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[社説]独自制裁に出た韓国、米中の水面下の駆け引きに不覚を取ってはならない

[社説]独自制裁に出た韓国、米中の水面下の駆け引きに不覚を取ってはならない

Posted March. 09, 2016 07:21,   

Updated March. 09, 2016 07:33

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政府が8日、国連の北朝鮮制裁とは別途に独自の制裁を発表した。金英哲(キム・ヨンチョル)労働党対南書記など40人と30の団体に金融制裁を行い、外国船舶が北朝鮮に寄港して180日内に韓国国内に入港することを全面禁止する海運制裁も強化した。韓国国民が海外で北朝鮮レストランを利用することも控えるよう呼びかけた。国連制裁の隙を補完する措置だが、朴槿恵(パク・クンへ)大統領が先月、開城(ケソン)工業団地の稼動を全面中断して「始まりにすぎない」と言ったわりには高強度ではない。金正恩(キム・ジョンウン)一家が依然として制裁対象から抜けており、北朝鮮の外貨稼ぎの窓口である海外労働者の派遣も外交問題のためか含まれなかった。

国連安保理の北朝鮮制裁決議2270号の採択後、米国、日本、欧州などが追加制裁に出た中、韓国と米国は、北朝鮮先制に加え、金正恩政権を除去する「斬首作戦」が含まれた連合軍事演習を過去最大規模で始めた。北朝鮮が怒って核先制攻撃を警告し、韓半島の緊張は戦争状況を彷彿させるほど高まっている。北朝鮮が核とミサイルを放棄しない限り、実効性論議にもかかわらず、このような北朝鮮制裁と圧迫はしばらく続くだろう。

しかし、米国と中国はすでに「制裁後」を準備しているようだ。中国の王毅外相は8日、「韓半島問題を対話テーブルに復帰させることに役立つなら、中国は各国が提起した3者、4者、さらに5者接触まで含め、すべてに開かれた態度だ」と述べた。米国務省のジョン・カービー報道官は7日、「米国は6者協議の再開を望み、完全かつ検証可能な非核化を望む」と強調した。また、韓国との高高度防衛ミサイル(THAAD)配備協議についても、「こうした協議の必要がない可能性もある」と述べた。米中が安保理決議とTHAAD配備の保留をめぐってある種の戦略的駆け引きをしており、非核化会談再開の方向へ局面転換を模索しているようだ。中国の「非核化・平和協定並行」提案に米国が以前と違って柔軟なこともいつもと違う。

制裁と圧迫だけで果たして金正恩第1書記に核とミサイルを放棄させられるのか確実でない。特に、北朝鮮政策の目標を金正恩政権の交代と崩壊、統一まで見通す圧迫に置くのかについては、韓米間にも意見の相違があり得る。北朝鮮を強く追い詰めても、米中の内心を看破できずに韓国だけ不覚を取ることがないよう出口戦略も考慮して、戦略、戦術的柔軟性を発揮しなければならない。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com